「福島の歴史を変える」―甲子園19度出場の名将が学法石川にもたらす変化

「佐々木先生が言っていることは技術じゃない。脳内革命されています」

 11月の練習試合から一緒にベンチ入りもしている伊東美明部長はすべてが勉強になっているといい、スタッフも選手も思考回路が変わってきているという。

「佐々木先生が言っていることは技術じゃない。こうやって、こうやって、こういう風にやるとこういう流れになるでしょ、とか。考え方ですよね。脳内革命されています」

 試合や練習では佐々木監督独特の言い回しもあるが、桑山武冴志主将は「最近はわかってくるようになりました」と笑う。それは一冬を越えて価値観の共有が進んだからでもある。日々のミーティングや会話はもちろん、11月の就任以降、『ルディ』『男たちの大和』『グレイテスト・ショーマン』『リメンバー・ミー』とジャンルの異なる映画を鑑賞したり、仙台育英でも冬に取り入れていた国民の休日やことわざなど一般常識のテストも行われたりした。佐々木監督がどう考え、何を大切にしているか。理解が深まってきている。

「面白いし、すごくためになります。ミーティングでも映画でも心が動かされました。テストでは、やっぱり知らなきゃいけないんだなと思うことが多く、すべてが野球につながるんだなと思いました。毎回、パターンが違うので、捉え方が異なり、1つ1つが良い方向にいっています。感じ方も増えるし、心のモチベーションに繋がっています」と桑山主将。エースの横山凌は「ことわざとか気にしたことがなかったんですけど、今の自分の状況のことを言っていたり、確かにそうだなと思うことがたくさんありました。何回もテストがあったんですけど、全部が自分のためになりました。難しくて最初は分からなかったんですけど、最後のまとめのテストで100点を取ることができて、いろいろと覚えることができました。映画だったら考え方や気持ちの入れ方が変わってきて、いろんなことが自分の中で変化してきています」と話す。

 野球そのものでも捕手の竹本江希は「今まで考えていなかったことも考え始めました」と言い、横山は「マウンドさばきや考え方、配球の1つ1つなど、技術とは違うところで聞いたことがないようなことをたくさん教えてくださっています」と世界を広げている。

選手の意識に変化「チーム全体で負けない野球をしたいです」

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