巨人上原、他を圧倒する偉大な数値 投手の制球力を示す「K/BB」ランキング
現役NO1投手の呼び声高い巨人菅野は4.63
上原は、NPBでは6回規定投球回数に達しているが、シーズン与四球はすべて30個以下。1先発当たりの与四球は1個前後だった。上原はMLBにわたってさらに進化し、K/BBは7.33(572奪三振78奪三振)に達した。これはMLBでも歴史的な数字だ。
○米のデータサイト、Baseball Referenceによる、1500投球回以上のK/BB 5傑
1 Tボンド 5.04 (972奪三振193与四球/1874-1884)
2 Cシリング 4.38 (3116奪三振711与四球/1988-2007)
3 Cカーシヨウ(ドジャース) 4.24 (2275奪三振536与四球/2008-2018)
4 Mシャーザー(ナショナルズ) 4.19 2449奪三振585与四球/2008-2018)
5 Pマルティネス 4.15 (3154奪三振760与四球/1992-2009)
1位のボンドは19世紀の投手だが、2位以下には21世紀になって活躍した投手が並んでいる。現役のカーシヨウとシャーザーの名前もある。K/BBはNPBでもMLBでも、今世紀に入ってから上昇したのだ。それにしても、上原の数字はMLBの歴代の投手よりもはるかに上を言っている。破天荒な投手だといえよう。
○現役投手 K/BB10傑 順位のあとの/は歴代順位
1/1 上原浩治(巨) 6.64 (1400奪三振211与四球/1999-2018)
2/5 成瀬善久(オ) 3.79 (1198奪三振316与四球/2006-2017)
3/10 岸孝之(楽) 3.49 (1591奪三振456与四球/2007-2018)
4/11 和田毅(ソ) 3.45 (1520奪三振441与四球/2003-2017)
5/12 岩隈久志(巨) 3.44 (1175奪三振342与四球/2001-2011)
6/13 金子弌大(日) 3.32 (1566奪三振471与四球/2006-2018)
7/18 能見篤史(神) 3.08 (1436奪三振466与四球/2005-2018)
8/20 内海哲也(西) 2.96 (1496奪三振506与四球/2004-2018)
9/24メッセンジャー(神) 2.91 (1420奪三振488与四球/2010-2018)
10/27石川雅規(ヤ) 2.86 (1524奪三振532与四球/2002-2018)
○主要なMLB日本人投手のNPB時代のK/BB
ダルビッシュ有(カブス) 3.75 (1250奪三振333与四球/2005-2011)
田中将大(ヤンキース) 4.50 (1238奪三振275与四球/2007-2013)
前田健太(ドジャース) 3.86 (1233奪三振319与四球/2008-2015)
大谷翔平(エンゼルス) 3.12 (624奪三振200与四球/2013-2017)
菊池雄星(マリナーズ) 2.43 (903奪三振371与四球/2011-2018)
○1500投球回に達していない、主要な現役先発投手のK/BB
菅野智之{巨)4.63(963奪三振208与四球/2013-2018)
則本昂大(楽)4.10(1178奪三振287与四球/2013-2018)
当代のトップクラスの投手は、ほとんどがK/BBは3以上。しかし上原の記録には遠く及ばない。NPB最年長選手でもある上原は、「至宝」ということが言えよう。
(広尾晃 / Koh Hiroo)