新井貴浩氏、引退セレモニー 山本浩二氏&黒田博樹氏登場知らされず「内心ビクビク」
チームメートらの手で7回胴上げ「最後は重くて上がらなかったんじゃないかな」
■オリックス 5-3 広島(オープン戦・16日・マツダスタジアム)
16日の広島対オリックスのオープン戦で、昨年限りで現役引退した新井貴浩氏の引退セレモニーが行われた。
試合前には、新井氏が若手時代に広島の監督だった山本浩二氏と、現役時代の盟友だった黒田博樹氏による「サプライズ贈呈式」が行われ、新井氏を模った「大三振人形」と「大飛躍(ジャンプ)銅像」が贈られた。特に黒田氏の登場には新井氏だけでなく、観客にもサプライズだったようで、スタンドからは大きなどよめきが起こった。始球式では2人の息子が打席に立ち、球場は和やかなムードに包まれた。
試合後は引退あいさつを行い、感極まって言葉に詰まる場面もあったが、最後まで涙は見せず。グラウンド一周と、チームメートらによる7回の胴上げでセレモニーは終了した。
選手全員と握手を交わした後、ベンチ裏に引き上げて報道陣に囲まれた新井氏は「本当にたくさんの人が来てくれて、そういう人たちが喜んでくれればいいと思う」と、集まった3万人以上のファンに感謝した。山本氏と黒田氏の登場については「球団の人からも本当に何も聞かされていなくて、内心ビクビクしていた」と周囲を笑わせた。
7回で終わった胴上げに関しては「最後は重くて上がらなかったんじゃないかな」と笑顔を見せた。「胴上げは3回目ですかね。3回もやってもらって本当にありがたいし、かわいい後輩たちに、こんないい気持ちでユニフォームを脱がせてもらってありがとうという気持ち」と感慨深そうに話し、「4連覇は十分に狙えるチームだと思う。ケガだけに気をつけて、今まで通りにやってくれればいい」と後輩にエールを贈った。
引退あいさつでは、7年間所属していた阪神や、会長を務めた選手会の関係者にも感謝の言葉を贈った。「20年間いろいろあったが、全てが必要なことだったと思う」とプロ野球人生を振り返った新井氏は「ありがとうございました!」と若手選手のような元気な声で会見を締めくくった。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)