「ギスギスしていた」敵意むき出しから信頼へ、初V目指す履正社バッテリー対談
清水「甲子園のマウンドは楽しみたい」、野口「日本一を自分たちが達成したい」
――でも、このままではいけないなと思ったきっかけはあった?
野口「何があった、とか、この時期をきっかけにというのはないですね。自然となくなっていって、今ではそういうムードになることはないです。というより、こういう感じになっていたのは練習の時だけで、試合の時は全くないんです」
清水「試合ではないですね。今では具体的に何が、という訳ではないですが、頼りにしています。野口は普段も試合でもあまり表情を出さない方で、物静かな方。練習ではそういうアドバイスをしてくれますが、普段は喋る方ではないですよ」
野口「試合では表情って出さないものだと思っているので。て言うか、(清水君も)そうやんね?」
清水「うん。試合では出さない方ですかね。でも、野口は本当に出さないんです。キャプテンだからそうしているのかもしれないです」
――何より野口君たちの学年は2年生まで甲子園の土を踏んだことがない世代でした。それだけに昨秋は勝つことに相当こだわってきたのではないでしょうか。
野口「それはありました。昨年は悔しいことの方が多かったので……。U15で一緒に戦ったメンバーがどんどん甲子園を経験していて、うらやましいというより悔しかったですね」
清水「だからこそ、甲子園のマウンドは楽しみたいです。緊張はすると思います。でも、そんな中でも楽しんでプレーすることが一番じゃないかと思うんです」
野口「自分も緊張すると思います。というか、今からもう緊張しています(笑)。でも、1打席立てば気持ちはほぐれると思います」
――先輩たちからは甲子園で戦う上で何かアドバイスは受けましたか?
野口「(一昨年センバツ準Vメンバーの)筒井さん(=大成・近大へ進学)からは“寒い”とくらいしか言われていません(笑)。この春は、先輩たちが達成できなかった日本一を自分たちが達成したいです」
(沢井史 / Fumi Sawai)