楽天・平石監督、開幕前日に何度も「腹をくくる」 最下位から「リスタート」
29日に敵地ロッテ戦で開幕「昨年は昨年。もう一度新たに」
楽天は28日、敵地・ZOZOマリンスタジアムで29日の開幕戦へ向け全体練習を行った。約2時間半の練習を見守った平石洋介監督は「そこまでの高ぶりはないですが、いよいよですね。キャンプからオープン戦にかけて、やれることはしっかりやってきましたから、あとはやるだけです」と、現在の心境を語った。
今年のチームスローガンは「RESTART! 日本一の東北へ」。大きな期待を受けながら、最下位に終わった昨シーズンからの再スタートとなるが「常に話題にあがるが、もう年も変わっています。(昨年の悔しさを)今年につなげないといけないのは確かですが、昨年は昨年。もう一度新たに『今年はしっかりやる』と思ってやっていく」と、今季への思いを語った。
その決意が強く現れていたのが、会見中に幾度となく飛び出した「腹をくくる」という言葉だ。
「迷いながらやっていてもいい結果は出ない。同じミスをするのでも、迷いながらでは後悔しか残らない。自分がこうだと思ったら一貫してやる。そのために腹をくくりたい。僕が腹をくくらないと、選手たちも腹をくくれないと思うので、しっかり腹をくくってやります」
「腹をくくる」ことが求められるのが、OP戦14試合に出場し38打数10安打(1本塁打)の打率.303と好結果を残し、開幕1軍入りを果たしたドラフト1位ルーキー・辰己涼介外野手の起用法だ。
「とにかく自分の持っているものを思い切って出してほしい。初めての世界で上手くいかないこともいっぱいあるでしょうが、まずは自分がこうやりたいと思ったことを思い切り出してくれればいい。そこでどう感じるかは本人次第。感じることはあると思うが、まずは辰己らしくやってくれれば」と、本人のやり方を貫くことを求めた。
「今年、リスタートする意味でも、とにかく腹をくくってやります」
一度決めたらそれを貫く――。昨季はシーズン途中から監督代行としてチームを率い、10月に「監督」に就任した。自らの信念を貫く覚悟を示しながら、最下位からの再出発を図るチームを導いていく38歳の青年“新監督”の開幕が、いよいよ目前に迫っている。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)