見えてきた1軍 「後悔はしていない」楽天・釜田が手術を受けて得られたこと
投げた翌日が心配も順調 「投げて終わりじゃない、遠足と一緒です(笑)」
2011年のドラフト2位で金沢高から入団。ルーキーイヤーの12年は20試合に登板し、7勝を挙げた。翌年には右肘の疲労骨折や手術を経験し、その後、1軍で勝利を挙げたのは15年8月29日。実に716日ぶりの勝ち星だった。16年は20試合に先発し、17年も11試合で先発を務めた。昨年はリリーフに挑戦したが、離脱。浮き沈みの激しいプロ野球人生。1軍で投げたい、応援してくれている人たちに頑張っている姿を見せたい、そんな思いと、「このままじゃ、終われない」という意地が釜田の精神を支えたという。
今季は3月12日の春季教育リーグ日本ハム戦に先発し、2回を2安打1失点。16日の練習試合BCリーグ・武蔵ヒートベアーズ戦は2番手で3回を投げ、4安打3四球5失点と炎上した。それでも、中7日で登板した24日のイースタン・リーグ日本ハム戦では6回を無安打6奪三振無失点と好投し、兆しを見せた。
「内容も良かったし、この日に投げて、次はこの日と言われたところにしっかりと体の状態が回復して投げることができたということが良かったです。なおかつ、5回100球くらいの予定が、6回まで投げられたし、球数も74球というのは本当に良かった」
また一歩、進んだ。「でも……」と釜田。
「一番、僕が気にしているのは、投げた翌日以降の状態がどうなのか、ということなのですが、それもうまくいっています。投げた後、張りはありましたけど、日が経てば普通に投げられそうな感じではあるので、それが何より、ホッとする。投げて終わりじゃない、遠足と一緒です(笑)」
楽しい1日の帰り道に羽目を外さないようにと先生が言うセリフ、“家に帰るまでが遠足です“。その日の登板が終わったら、それでおしまいではない。「次の登板までが大事」と釜田。その言葉通り、24日の登板以降も充実した日を送れているという。
「今まではゲームで投げたら『肩はどうかな』『肘はどうかな』と確認をして試合に臨むことが多かった。この前は投げてから4日目(28日)でブルペンに入ったんですけど、それでも80球ほどを投げられたし、投げた後の感じも悪くない。投げることに対して集中して練習ができています」
登板する日、練習する日、そしてまた登板する日。すべてが1軍のマウンドへつながっている。
(高橋昌江 / Masae Takahashi)