「思い描いたダルビッシュではない」―今季初黒星に地元メディア「疑問は残る」
5回途中にわずか71球で降板告げられ…地元記者は「慎重な扱いは継続中」
■ブレーブス 9-4 カブス(日本時間5日・アトランタ)
カブスのダルビッシュ有投手が4日(日本時間5日)、敵地ブレーブス戦で今季2度目の先発マウンドに上がり、4回0/3を5安打2奪三振4四球3失点(自責3)で今季初黒星を喫した。昨季は故障に苦しみ、1勝3敗に終わった右腕。復活を目指しているが、開幕から2試合連続で5回を投げきることができず、地元メディアは「彼は、私たちが思い描いたようなユウ・ダルビッシュではない」と嘆いている。
ダルビッシュは4回まで1失点も、5回に二塁打と四球で無死一、二塁とされると、降板を告げられた。その後、救援陣が打ち込まれて走者を返され、ダルビッシュにはさらに2失点がついた。わずか71球(47ストライク)。早すぎる降板劇だった。
ジョー・マドン監督は「自分の投球にいい感覚が残っているうちに交代させたかった」と決断の理由を説明したが、米メディアのダルビッシュに対する信頼は回復していない様子。米スポーツメディア「ジ・アスレチック」は「ユウ・ダルビッシュとカブスのブルペン陣への疑問は残り続けている」とのタイトルで特集し、「カブスはダルビッシュからどんな恩恵を受けていくことができるのか、分かっていない。そして、ジョー・マドンの信頼の輪の中に何人の救援投手が入っているのかも、カブスはわかっていない」と伝えた。
記事では、マドン監督が「私がすることは、とにかく選手たちを信じ続けるということ。色々なことを懸念するには時期尚早だ。ブルペンは良い投球をしてくれると私は信じている。彼らは自分たちの仕事に集中して、多くのことに悩む必要はない。彼らにはとにかく打者を攻めてほしいし、完璧を求めないようにしてもらいたい」と話したことを紹介。そのうえで「ダルビッシュにも同じことが言える。彼は完全に迷っていたようではなかったものの、この試合を支配していたというわけでもなかった」と指摘している。ダルビッシュに本来の姿を取り戻してもらうためには、指揮官の言う通り「信じ続ける」ことが必要なのかもしれない。
一方で、地元記者の反応はやや厳しい。地元紙「シカゴ・サンタイムズ」のスティーブ・グリーンバーグ記者は「ユウ・ダルビッシュが71球を投げ、0-1の場面で降板。ダルビッシュへの慎重な扱いは継続中」とツイッターで呟き、最後に「#1億2600万ドル」とハッシュタグを添えた。昨季、6年総額1億2600万ドル(約141億円)で加入したダルビッシュの起用法に疑問を持っているようだ。さらに、地元ラジオ局「670 The Score」のジュリー・ディカロ記者は「彼は、私たちが思い描いたようなユウ・ダルビッシュではないみたい」と嘆いた。
ファンもメディアも待ち続けているダルビッシュの復活。期待に応えることはできるだろうか。
(Full-Count編集部)