【長谷川滋の目】「甲子園を目指さない学校」の必要性 日本の育成システムに警鐘

日米通算102勝をマークした長谷川滋利氏【写真:本人提供】
日米通算102勝をマークした長谷川滋利氏【写真:本人提供】

「甲子園を目指さない学校」でリーグ戦、相手を知る野球を覚える

 昔に比べれば少しずつですが、変わりかけているがそれでもまだまだ遅い。近い将来には必ず出てきますが“甲子園を目指さない”学校が出てくればと思っています。同じような高校同士でリーグ戦を行い、実戦の場が増え、投手にも5、6人のローテを組ませて球数を決める。登板間隔も必ず空くので連投はなくなります。

 投手に限ったことではなくリーグ戦を行うことは非常に大事です。同じ相手と何度も試合をやることで、相手を知る野球を覚えることができます。野球は団体競技でありながらも個人競技の部分も多いが、“考えるスポーツ”です。プロ野球でもペナントはリーグ戦を行ってその中で優勝を決める。大学でもそうですがアマ時代からその部分を実際にプレーして感じることは今後、必ず生きてくる。

 私はこれまで何度も高校生の育成システムに関して発信してきました。ですが、野球界の中でもっと多くの人が将来の野球界について声をあげる必要があると思っています。残念ながら長年、野球界に携わっている人でも球数制限、登板間隔などに批判的な意見を持つ人がいます。

 すでに上記でも話しましたが、科学的な根拠が出ている現状をもっと知ってもらいたいですし、そのことについて分かっている人は名前を出してどんどん公の場に出て話してほしい。悪い話をしているわけじゃない、批判もあるかもしれないが面と向かって話し合いができる場を作っていきたい。自分のためじゃなく将来のプロ野球選手のために声をあげていってもらいたい。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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