広島矢崎、4回0封の好救援も反省したワケ 「自分で何をしているんだと」
1軍に昇格し初登板、2番手でマウンドに上がり4回無失点と試合を立て直す
■ヤクルト 6-2 広島(11日・マツダスタジアム)
広島の矢崎拓也投手が11日、本拠地ヤクルト戦で2番手として今季初登板し、4回無失点と結果を残した。
岡田の乱調で2回無死満塁から登板した矢崎は、ヒットと押し出し四球で2点を失ったが、その後は無失点で自責点、失点はともに記録されず、3回から5回までは1安打に抑えて壊れかけた試合を立て直した。
「少しでも自分の最高の投球ができるように調整した」と、この日1軍昇格した矢崎は、精度を高めたというストレートが最速150キロをマークし、ヤクルト打線の勢いを止めた。無死満塁からの登板と厳しい状況も「マウンドに上がったら相手バッターに集中するだけ。満塁なので特に作戦もないと思った」と、岡田の残した走者を2人返したもののピンチを切り抜けた。
それでも山田哲への押し出し四球と、無安打に抑えた4回以降の2四球を「あれは余計だった」と反省し、山田哲と村上に対してフルカウントから与えた四球については「最後がノーチャンスの球だった。(ストライク)ゾーンからボールになる球ならいいけど、完全なボール。打者が振りに来る球を投げないと。自分で何をしているんだと思った」と厳しい表情。
ルーキーイヤーの17年には、初先発の試合でノーヒットノーラン寸前の快投でプロ初勝利を記録したが、その後は制球難に苦しみ、昨季は1軍登板なしに終わった。結婚を機に「加藤」から「矢崎」に改名した今季は、キャンプから結果を残し、この日の1軍昇格につながった。「結果的に0点で終わったのはよかったが、まだまだ課題があるので修正したい」という矢崎。慶応大卒のインテリ右腕の逆襲は始まったばかりだ。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)