BC福島の岩村監督、本拠地開幕戦で宣言「二人三脚で福島の方々とやっていきたい」

本拠地開幕戦で所信表明を行った福島レッドホープス・岩村明憲監督【写真:佐藤直子】
本拠地開幕戦で所信表明を行った福島レッドホープス・岩村明憲監督【写真:佐藤直子】

選手に求めるのは「福島ファースト」の心

 BCリーグ福島レッドホープスの岩村明憲監督が13日、福島・ヨーク開成山スタジアムで迎えた栃木戦で5回終了時に、球団運営会社の代表取締役社長としてファンに挨拶。「新生レッドホープスをスタートさせていきますが、今後も長い目で見ていただきながら、皆さんから求められる球団運営をしていきたいと思っております」と所信表明をした。新体制で迎える初めての本拠地開幕戦だったが、1-2で敗れ、勝利で飾ることはできなかった。

 2015年からBCリーグに参戦した福島は、昨季まで「ホープス」という名前で活動していたが、昨季終盤に深刻な経営難にあることが発覚。同年11月21日に岩村監督が代表取締役社長を務める「Y.O.A」が新たな運営会社となり、チーム名とロゴを一新し、再スタートを切ることにした。選手も10人以上メンバーが入れ替わるなど、文字通り「新生」レッドホープスとなった。

 新たなスタートに期待する地元・福島の声は多い。この日は来賓が多数来場し、試合前に祝辞と期待の声を届けると、スタンドを埋めるファンは愛溢れる応援で盛り上げた。昨年以来ファンに直接声を届けていなかったという岩村監督は、異例とも言える5回終了時に“代表取締役社長”としてマイクを握ると、一連の騒動を謝罪した後に「これからも皆さんとともに、二人三脚で福島の方々とやっていきたいと思います」と呼びかけた。

 試合は7回に1点を返したものの、栃木の先発・若松の快投に終始押されたまま敗れた。普段の思い切りの良さを発揮できなかったチームを「(本拠地開幕の)緊張もあったかもしれない」と思いやる一方、「野球選手しか味わえない緊張感。このくらいのお客さんの数で緊張していたらダメだよ」とハッパを掛けることも忘れなかった。

 新生チームに求めるものは「福島ファースト」の姿勢だ。

「福島のために、ファンのために、そして家族のためにプレーしてほしい。まずは、福島ファースト。福島の皆さんに喜んでもらえるように、福島が元気になるような試合をしていかないと。独立リーグは“ふるさとのプロ野球”。福島県民こそがチームの勝利を喜んでくれるんだから。たとえ負けた試合でも、ファンに『見に来て良かった』と思われる野球をするように、選手たちを導いていきたいです」

 2020年の東京五輪では、福島で野球とソフトボールが合計7試合行われる予定だという。

「来年のオリンピックに向けてよりよいバトンタッチができるように、われわれレッドホープスも福島県民の方々とともに熱を上げてやっていきたい」

 過去から学び未来へつなぐ――。新生レッドホープスに期待だ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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