大谷翔平の“後輩”がオランダリーグ挑戦 花巻東出身左腕の異国での挑戦
オランダリーグの「デ・フラスコニンフ・ツインズ」からオファーを受け入団を決意
こうして3週間での好投が認められ、オランダリーグに所属する「デ・フラスコニンフ・ツインズ」から入団オファーが届いた。小野寺はオファーが届いた当時の心境について「(アジアンブリーズでは)野球をツールに言語や文化を学んだり様々な経験を積むことが挑戦の目的であったので、オファーを頂いて素直に嬉しかったし、ワクワクしています」と目を輝かせて話した。
ツインズは昨年、元ヤクルト中島彰吾投手が在籍していたチーム。小野寺は契約書にサインした後に、中島自身にアドバイスを求めた。すると、中島からは「チームメイトは良い人達ばかりだから楽しく野球ができるよ」と温かい言葉が。これに力をもらった小野寺は新たなスタート地点に立つことになった。
3週間の戦いを終えた小野寺は改めてアジアンブリーズでの日々を振り返る。「収穫としてはある程度抑えることができ、真っ直ぐでも変化球でも空振りが取れてパワーのある選手たちとしっかり勝負出来たことが自信になりました」と手応えがあった。その一方で外国人投手の体の大きさや球速に圧倒されたこともあり、92マイル(約148キロ)まで球速をアップさせることを課題に掲げた。
今年は菊池雄星投手がマリナーズで、久保康友投手や荒波翔外野手がともにメキシコでのプレーを決めた。MLBをはじめとする米国だけでなく、海外の様々な国で日本人選手がプレーする機会が増えている。小野寺自身もオランダのマウンドに立つことになり、彼ら同様に異国の地で現役を続けることになる。
「今回の挑戦ではフィンランド人や香港人をはじめ話す言葉や文化の違う人と仲良くなったり、日本人も境遇は違えど自身の野球や人生に熱い想いを持った人たちと3週間過ごせたことが自分自身の財産になりました。このことから挑戦することでしか得られないものがあるのかなと思ってます」
この挑戦に得たものについて、考えを巡らせた上で語った小野寺。わずか3週間という短い期間ではあったが、プレー面だけではなく人生面でも大きな財産を得たことだろう。現在、小野寺は4月中旬の出国に向けて準備に追われ、多忙な日々を過ごしている。プレーする場所は違えど、高校の先輩である菊池や大谷翔平投手のように世界へと羽ばたく。
(豊川遼 / Ryo Toyokawa)