ロッテ吉田、攻めの配球で完封リード 井口監督「ホークス打線相手に…」
ソフトバンク戦で「9番・捕手」で4投手を巧みにリード 打撃では3の2
■ロッテ 1-0 ソフトバンク(17日・ZOZOマリン)
ロッテは17日のソフトバンク戦で2夜連続の完封勝利。その陰には攻守で光った6年目捕手・吉田裕太の存在があった。井口監督も試合後「ホークス打線相手に強気のリードをしてくれて、どんどん攻めたピッチングをしてくれた」と、吉田のリードを高評価した。
その布石は前回、岩下とバッテリーを組んだ11日のオリックス戦にあった。
「前回のオリックス戦では初回、ちょっと打たれるのを怖がったような感じで、変化球が多くなってしまった。今回はヨーイドン!(スタート)からまっすぐを。いいボールなのでそれを使っていこうと話をしていて、それがうまく使えました」
岩下は前回11日オリックス戦で6回9奪三振3安打1失点。上々の結果だったが、その登板後「立ち上がりが悪かった」と、反省点にあげていた。今回はバッテリーで修正。「僕にはまっすぐしかない」とお立ち台で岩下が語ったそのストレートを主体に、その持ち味を存分に活かした攻めの投球でソフトバンク打線を牛耳った。
その強気の姿勢は守備にも表れていた。0-0で迎えた5回。両チーム無得点と緊迫した状態が続く中、この回の先頭打者・川島をストライクが先行しながら、最後はフォークがベースのかなり手前でワンバウンドするようなボールで四球を与えてしまう。続く9番甲斐は犠打を仕掛けてきたが、岩下は左前方に転がった打球に素早く反応し捕球すると二塁へ送球。ギリギリのタイミングではあったが判定はアウト。遊撃・藤岡は流れるように一塁へ。ソフトバンク側からのリクエスト要求もなく、併殺を完成させた。
この場面で二塁送球を指示したのはもちろん捕手の吉田だ。「(いける!と)タイミングを見て(判断した)。練習しているので」と、淡々にその状況について振り返っていたが、1点も与えられない緊迫した場面の中で、吉田が冷静に状況判断を行い決断した「攻めの守備」が、勝敗を分ける1つのポイントとなった。
そして直後の5回。先頭打者・バルガスのヒットから1死一塁となって、その吉田のこの日2本目となる左前へのポテンヒットへとつながり、「当たりはよくなかった」と荻野が語っていた先制適時打へとつながった。3打数2安打だった。
8回のバント処理での好捕など、随所で勝利に貢献した吉田。1-0と捕手冥利につきる完封勝利。「点数が入ってくれればもっと楽なんですが、まずはゼロに抑えられて良かった。岩下に勝ちをつけられて良かった」。5年目右腕の勝利を喜びつつ、その結果に安堵の表情を浮かべていた。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)