元DeNA久保康友を悩ませる給与未払い問題「想像以上のことが毎回起こる」
メキシカンリーグで奮闘中も…最初の給料日から数日経過で支払われた選手はゼロ
元DeNAの久保康友投手が所属するメキシカンリーグのブラボス・デ・レオンで19日(日本時間20日)、給与未払い問題が浮上した。メキシカンリーグでは通常、月に2回、給料日が設けられており、コーチ陣やスタッフにはキャンプ中から、選手には開幕後から給与が支払われるが、開幕後、最初の給料日から数日が経過したものの、給与が支払われた選手は現時点でゼロ。メキシカンリーグでは給与の支払いが遅れることは珍しくないが、久保もその洗礼を浴びる形となった。
レオンでは今季、開幕前のキャンプ中も含め、給料日当日に給料が支払われたことは一度もなく、コーチ、スタッフへの支払いは3月も2回とも遅延。中には約2か月間、一度も給料をもらえないまま働いているスタッフもおり、選手の間で球団に対する不信感が高まっている。メキシコでは今週はセマナサンタ(聖週間)で銀行も稼働していないため、支払いは最短でも来週となりそうだ。
昨年も給与支払いの長期遅延が慢性的に起こっており、問題となっていた。中には、昨年の給与の一部やチーム合流の際の飛行機代をいまだにもらえていない選手も数人いるという。昨年オフにオーナー会社が代わり、球団も一新されたはずだったが、その体質は変わらぬままだ。
久保にとっては給料だけでなく、家の問題もある。契約では球団が用意した家に住むことになっていたが、実際には球団が家を用意しなかったため、自ら物件を探した。それでも、契約のための手続きや支払いを球団が一向に進めず、前日までホテル暮らしを強いられていた。
5日(同6日)の開幕当日には、GMが試合前に開いた緊急ミーティングの中でチームの金回りが悪いことに触れ「家のことなどで外国人選手たちに迷惑をかけて申し訳ない。我々としても払いたいところなのだが、球団にまだお金が入っておらず、もう少し待ってほしい」と謝罪。だが、その後も状況は改善されていないままだ。
この日のミーティングでは元メジャーの主力選手が「チームの上層部はグラウンドにも来ず、我々選手と話そうともしない。外野の芝もデコボコなままだし、この球団はいろんな問題を改善しようという気が本当にあるのか?」と話すなど、不満が噴出。久保も「日本ではないのでいろんなことが起こるとは思っていたが、想像以上のことが毎回起こる。それも含めて楽しみつつやっているが、契約ごとはしっかりやってほしい」と、ラテン特有ののんびりモードに頭を抱えている。
地元記者によると、メキシカンリーグでの給与未払いは頻繁ではないが、時にはあるという。選手への給料未払いについては、2月に行われた久保の入団会見時にも、同席した球団社長らが地元メディアから問題を追及されており、一日も早い改善が待たれるところだ。
(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)