恒例の大宮開催を支える人たち 西武の関係者にも浸透する「We are One」

「We are One」の共有

 フィールド、スタンドを盛り上げるのは公式パフォーマンスチーム、ブルーレジェンズ。完全密閉ではないとはいえ所沢は屋根に覆われている。完全屋外の大宮では雨風の影響が多大にあると思う。

「一番気になるのは風。旗を使ってのパフォーマンスがウリの1つでもある。風に負けてしまってはダメだし、投げた時の落下場所にも注意を配っている」

 話してくれたのはブルーレジェンズ、ディレクターYukiさんだ。

「屋外球場は風の心地良さを感じる。スタンド内を回る時などは、そういう気分の良い風をファンの方々とお互い感じながら応援したい」

 フィールドでの練習前から、球陽正面入口脇にある空きスペースで振り付けなどの反復練習を重ねる。選手同様、演者としての強いプロ意識を感じた。

「となりにサッカー、大宮アルディージャさんの本拠地もある。他スポーツなどとのコラボとか、今後もいろいろ展開できればいいです」

 まもなく開場、ここから先がブルーレジェンズの魅せ場である。足早に控え室へ戻っていった。

 話を聞いた人たちばかりではない。内野が土のフィールド、予期せぬことがおこらぬよう、グラウンドキーパーは試合中も細部まで協議していた。ビールの売り子さんたちは、通常のように控え室があるわけではない。屋外の階段踊り場に荷物がまとめて置かれ、お客さんの動線すぐ脇で休憩などをとっていた。レギュラー放送をおこなうメディアクルーは普段と機材の場所も異なるために、何度も打ち合わせを重ねる。

 大宮開催だからクオリティが下がっても仕方がない、とは決して言わせない。そういう強い気持ちが誰からも伝わってくるようだった。

 試合に勝てば誰もが喜ぶ。しかし長いシーズン、どんなチームも間違いなく負けはある。そんな時でもチームは1つという意識を持ち、ファンと共有する姿勢があれば、見捨てる人はいないだろう。

「We are One」

 ユニフォーム右袖エンブレムに書かれている想いが、西武に関わるすべての人々に浸透し始めている。そのビジョンは所沢だけでなく、大宮、沖縄、群馬、どこで試合を開催しようが変わらない。西武の強みを、大宮で改めて見たようだった。これならばファンが増えるのも納得できる。

(山岡則夫 / Norio Yamaoka)

山岡則夫 プロフィール
 1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌Ballpark Time!を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、製作するほか、多くの雑誌やホームページに寄稿している。最新刊は「岩隈久志のピッチングバイブル」、「躍進する広島カープを支える選手たち」(株式会社舵社)。Ballpark Time!オフィシャルページ(http://www.ballparktime.com)にて取材日記を定期的に更新中。

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