新人の満塁弾から…埼玉アストライアが終盤に30分間の攻撃で7得点の大逆転

通算100奪三振を達成した埼玉アストライア・磯崎由加里【写真提供:日本女子プロ野球リーグ】
通算100奪三振を達成した埼玉アストライア・磯崎由加里【写真提供:日本女子プロ野球リーグ】

5回まで6点ビハインドも…6回に一挙7得点、満塁弾の田口真「本当に嬉しい」

 17日にわかさスタジアム京都で行われた女子プロ野球・春季リーグの愛知ディオーネ-埼玉アストライアは7-6で埼玉アストライアが勝利した。

 先発マウンドに上がったのは今季初先発となった愛知ディオーネ坂東と、いまだ勝利がない埼玉アストライア・磯崎。試合は中盤まで完全にディオーネペースで試合が進んだ。

 初回こそ3者凡退で抑えた磯崎だったが、2回に2死二、三塁のピンチを招くと、愛知ディオーネの8番・一尾に昇格後初ヒットとなる2点タイムリーヒットを打たれ先制を許してしまう。3回にも、無死二塁のピンチを背負うが、2番・浅野、3番・星川は磯崎の代名詞でもある落差の大きなスローカーブで2者連続見逃し三振。磯崎はプロ通算100奪三振を達成すると後続も抑え、打線の援護を待った。

 しかし5回、愛知ディオーネ打線が磯崎に襲い掛かる。1死二、三塁のチャンスを作り、3番・星川、4番・三浦由に連続タイムリーが飛び出し4-0。磯崎をマウンドから引きずり下ろす。代わった山口からも8番・金城が2点タイムリーを放ち、6-0と大量リード。ディオーネの勝利は確実かと思われた6回にドラマが待っていた。

 アストライアの3番手としてマウンドに上がったのは、開幕戦以来25日ぶりの登板となった谷山。内野安打1本を許すものの持ち前のテンポの良いピッチングで無失点に抑える。

 すると、その裏の愛知ディオーネのマウンドは2番手の小原。埼玉アストライア打線は1死から2本のヒットとファボールで満塁のチャンスを作り、打席には9番のルーキー・田口真。小原の3球目、内角の変化球をすくい上げた打球はライトラッキーゾーンへ飛び込む第1号満塁ホームランとなった。

 火が付いた埼玉アストライア打線は止まらない。2死から2番・田口紗、3番・加藤が連打でつなぎ、4番・今井がフォアボールで出塁し再び満塁とすると、ディオーネはたまらず絶対的エース・里をマウンドへ送り込んだ。

 しかし痛恨の暴投で、ついに1点差。この回3度目の満塁のチャンスに、6番泉由がサードの頭を超すタイムリーを放ち三塁ランナーが生還。二塁ランナーは本塁タッチアウトとなるが、ここで大山監督がリクエストを要求。ビデオ判定の結果、判定がセーフに覆り、30分間にわたった長い攻撃で、ついに埼玉アストライアが逆転に成功した。

 最終回は谷山がきっちりと抑え試合終了。アストライアが終盤の大逆転で熱戦を制した。試合後、田口真は「中盤までに大きく点差を離され、なかなかアストライアの流れにすることができない歯がゆい展開でした。毎試合、投手陣の打ち取った当たりをアウトにできず失点に絡むプレーを自身がしてしまっていたので、何としてもチームに貢献したい一心で打席に立ちました。ライトフライだと思って走っていたら、意外と伸びてくれました(笑)。『6点差があっても全員が諦めなければ逆転をすることだってできる』。野球の醍醐味が詰まったゲームをこのチームで見せることができたこと本当に嬉しく思います」とコメントした。

 この日の結果で京都フローラにマジック6が点灯。春季リーグも残すところ半分。今後の戦いの行方に注目したい。

日本女子プロ野球リーグ

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