日ハム有原、女房役・石川亮へ感謝の4勝目「うまくサインを…」
7回無死二塁の勝負所で松田宣を内角ツーシームで二直併殺打 無傷の4勝&防0.51
■日本ハム 4-0 ソフトバンク(28日・札幌ドーム)
日本ハムの有原航平投手が28日、ソフトバンク戦(札幌ドーム)に先発。7回2安打無失点と好投し、ハーラーダービートップに並ぶ負けなしの4勝目を挙げた。
首位を相手にしても抜群の安定感は変わらなかった。外野に飛んだ打球は松田の右前打と三森の左越え二塁打の2本だけ。「低めを丁寧に意識して、ゴロを打たせることができて良かったです」と振り返るようにツーシームとチェンジアップを有効に使い、ゴロの山を築いた。
捕手が出すサインの意図を明確に理解しながら投げている。7回無死二塁で松田を迎えた場面。2ボール2ストライクから内角ツーシームを詰まらせ、二直で併殺に仕留めた。この配球の裏には、初回にフルカウントから外角低めのスライダーを右前に運ばれた伏線があった。「外はすごく狙われているので。踏み込んでくるところを石川亮がうまくサインを出してくれました」と女房役の石川亮に感謝した。
石川亮も有原との意思疎通がうまくいっていることを実感している。「今日の1巡目、初球から振ってきているという話をしたら理解してくれて。入りの変化球を甘いところに簡単に(ストライクを)取りにいかなかった。この4試合、すごく考えてくれて、話し合いながら打ち取れています」と充実感をにじませた。
15年の新人王は今季、周囲の助言に耳を傾けながら様々なことを吸収している。味方攻撃中のベンチでは常にベテランの田中賢の隣に座って談笑。「さっきは、こういう球を狙っていたとか予測を教えてくれいます。それが去年と違います」と打者との駆け引きを教わり、投球に生かしている。
栗山英樹監督は「いい時はなるべく同じにしたい」と開幕から有原を日曜日に固定してきた。サンデー有原は、5試合全てクオリティー・スタートどころか、全て1失点以内にとどめる快投を続ける。35回を投げて17安打35三振5四死球で失点はわずか3(自責2)。防御率0.51は12球団トップを走る。
「シーズンは長いので」(栗山監督)とこの日は7回93球でお役御免となった。有原は「とにかくチームが勝つことが大事。最小失点で長いイニングを投げられるように。低めをていねいに意識していきたいです」と次戦も目の前の1球に集中する。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)