日ハム栗山監督、堀を中2日で先発に抜擢したワケ 「人間にはもっと幅がある」

先輩の宮西からも評価「切り替えができるし、内容も悪くない」

 今回の先発抜擢は投手陣の台所事情によるところもあるだろうが、大きな可能性を秘めた左腕の潜在能力を引き出すための栗山流育成術の一つと言える。堀の負けん気の強さに一目置くのは、入団から11年連続50試合以上登板して前人未到の300ホールドを達成した宮西尚生投手だ。

 28日のソフトバンク戦、4点リードの8回に登板した堀は、安打と失策で無死一、二塁とされた。続く上林を左飛に打ち取り、甲斐を迎えた場面で降板を告げられ、宮西にマウンドを譲った。甲斐を併殺打に仕留めて今季10個目のホールドを記録した宮西は、ベンチに戻った時に堀と交わした会話について教えてくれた。

「冗談風に『ごっつぁんです』と言ったら『すごく悔しい』という話をしてきた。それはいいこと。あいつの成長になる。周りから見たら、まだ頼りなさがあるんじゃないかな。でも、悔しがる姿を見せることは大事だし『俺でもできる』というアピールは大事。俺は若い頃は打たれても交代させられてもキレていたよ(笑い)。監督からどうやって信頼されるかというと、結果以外にも態度とか考え方とかあると思う。きついところで攻める気持ちのピッチングをみんな見ているから、接戦で投げる姿は大事。あいつは経験少ないけど、リリーフの適性があるよ。切り替えができるし、内容も悪くない」

 球界を代表するベテランからそんな褒め言葉をもらった堀。3日前の悔しさを晴らすような投球を見せてくれるはずだ。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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