元DeNA久保康友、先発から中1日で中継ぎ登板 今後も“二刀流”「チームの力に」
先発&中継ぎの二刀流、初の救援登板は“失敗”も…「勝ててよかった」
元DeNAの久保康友投手が所属するメキシカンリーグのブラボス・デ・レオンが、エースの久保を先発だけでなく、中継ぎでも起用する二刀流プランで上位進出を目指すことになった。
4月28日(日本時間29日)に敵地カンクンで行われたティグレス・デ・キンタナロー戦に先発し、6回を投げた久保は4月30日(同5月1日)、本拠地レオンで行われたレオネス・デ・ユカタン戦に中1日でリリーフとして登板。この日は救援には失敗したが、今後も先発と先発の合間にリリーフとして登板する形で、フル回転していくことになりそうだ。
この日は6-5で迎えた4回2死満塁から、2番手として登板。死球と2点適時打で3点を許して逆転され、1/3で降板した。チームはその後、もう1人の先発、元DeNAのモスコーソも送り出すなど、スクランブル継投で計10人の投手を投入。最後は15-14でサヨナラ勝ちし、連敗を4でストップした。
苦肉の策だった。チームはこの日の試合開始前の時点で南地区8チーム中6位と低迷。中継ぎ陣が壊滅状態のため、首脳陣がエースの久保に対し、先発の数日前にブルペンに入る代わりに、中継ぎとして1イニングを投げてもらうプランを提案していた。現在、チーム防御率は南北両地区合わせて16チーム中15位の8.10。チーム状況が芳しくないことから、久保も「このまま黙ってチームが負けていくのを見ている訳にはいかない。何としてもチームの力になりたい」と、リーグ序盤では異例ともいえる奇策を快諾していた。この日は救援に失敗し「負けていたら自分の責任だった。結果的にチームが勝ててよかった。ホッとしている」と、サヨナラ勝ちを喜んだ。
開幕投手を務めた久保はここまで5試合に先発し、2勝2敗、防御率4.59。リーグトップの投球回33回1/3、奪三振40の成績を残していたが「チームのためにもっと投げたい。(中5日の)登板間隔が短くなってもいい」と、監督に志願していた。
次回は5月4日に本拠地レオンで行われるヘネラレス・デ・ドゥランゴ戦に先発予定。チームはこの日の勝利で9勝13敗。敗れれば最下位転落が待っていたが、それは免れた。この日の勝ちで4位に浮上したが、4チームが9勝13敗で4位に並ぶ混戦だ。
メキシカンリーグは今季、各チーム120試合が予定されており、リーグはまだ序盤だが、今後も負け続ければ、各地区4位以上に与えられるプレーオフ進出権も遠ざかっていくだけに、まずは勝率を5割に戻したいレオン。開幕からわずか1か月での久保緊急フル回転プランで借金減を目指していく。
(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)