ホークス今宮、先制の決勝打にも「今日は大竹に勝たせてもらった」
初回1死一塁、走者は快足の周東 待つか打つか「悩んだ」
■ソフトバンク 1-0 楽天(2日・ヤフオクドーム)
ソフトバンクの今宮健太内野手が2日の楽天戦(ヤフオクドーム)の初回に先制の適時二塁打。このタイムリーが唯一の得点、決勝打となり、大竹耕太郎投手に今季初勝利をもたらした。
初回1死一塁。一塁走者は快足自慢の周東だ。工藤監督は「あの場面はグリーンライトでした」と、周東はいつでもスタートを切れる状態にあったことを明かしたが、打席に立った今宮も「悩みましたよ」と正直な気持ちを打ち明けた。
マウンドには6年目右腕・古川がいた。「スタートが切りづらい投手ではないし、周東も行くだろうと思っていました。打っていくのか(盗塁を)待つのか2分の1でしたが、ここは打っていこうと思いました」。初球の直球を積極的にバットを振り抜いた。右中間を破る適時二塁打となった。「(周東が)スタートを切っていたのはわかったし、抜けると思ったので点は入ると思いました」。大竹に先制点をプレゼントした。
この先制打が決勝点となった。それでも今宮は結果として1点しか援護できなかったことを悔やみ、「今日は大竹様様なので大竹しかないです」と2年目左腕を持ち上げた。7回に大竹が四球を出した時にマウンドに行ったが「ここまでもめちゃくちゃいいピッチングをしていたし、『何にも言うことはないけど』って言っただけ。そこからスイッチ入れて(抑えたのは)すごいなと思いました」と称賛。「野手もみんな(勝たせたい)気持ちはありましたが、なぜか打てなくて、大竹に申し訳ないという気持ちしかなかった」。野手全員の気持ちを代弁した。
チームは大竹、甲斐野、森とつないで完封勝ち。今宮は「今日に関しては大竹に勝たせてもらった。中継ぎも一生懸命やってくれているからこの順位にいると思います。もっと野手が頑張って、1点でもいいから泥臭く取っていけるように、1日1日気持ちを切らすことなくやっていかないといけない」と、この先の投手陣への恩返しを誓った。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)