「あれだけ迷惑を…」西武秋山、ファンへ感謝の通算100号 「声援は幸せ」
2本塁打、二塁打、単打の“サイクル超え”の大活躍を見せた秋山
■西武 5-3 日本ハム(2日・メットライフ)
西武の秋山翔吾外野手が2日の日ハム戦(メットライフ)で2打席連続ホームランを含む4打数4安打3打点の活躍でチームの勝利に貢献した。
秋山の打球がスタンドに消えると同時かそれより一瞬早く、満員のスタンドが揺れた。ダイヤモンドを一周すると、秋山はベンチ前で通算100本塁打の記念プレートを受け取り、スタンドに一礼した。
この日は1死二塁で迎えた第1打席で日ハム先発の金子のチェンジアップを捉え、右翼線に運ぶ先制のタイムリーを放っていた。昨年まで座っていた1番から打順が3番に移り、27試合目で初回に先制適時打を放ったのはこれが初めて。秋山は「一つ仕事ができた安堵感があった」と胸をなでおろした。さらに5回と7回にはソロ本塁打が飛び出し、通算100本塁打も達成。4打数4安打の大暴れでチームをけん引した。
秋山は「4月にあれだけ迷惑をかけて、いろんな人にカバーしてもらって。それでも応援してもらっていたので、そういうものに1打席目で応えられたのはよかった。(スタンドの)歓声を受けて、すごく前向きになれた」と話し、ほっとした表情を浮かべた。
球界屈指の好打者が苦しんでいた。前日の試合までで打率は.233。さらに得点圏打率は.179と、いずれも“らしくない”数字が並んだ。連覇を願うファンの声援と期待を浴びながら凡退を繰り返し「なにをやっているんだろう」と結果で応えられない自分がもどかしく、情けなさすら感じた。そんな中でこの日の1打席目で先制二塁打を放ち、そのもやもやを吹き飛ばした。今季初のお立ち台に立つと「ファンの方たちの声援が声援に聞こえないくらい背負ってしまった自分がいた。今日打てて、改めて素晴らしい声援を聞いてやれるのは幸せ」と感謝した。
プレーだけでなく言葉でもスタンドを沸かせた。この日の勝利で勝率を5割に戻したが「一つ勝つのはやっぱり大変」と口をついた。勿論、狙うのは連覇。「1回でも多く、チームの為になにかしたい」。そう話す秋山が立つグラウンドには、今日も勝利を呼び込む風が吹いている。
(安藤かなみ / Kanami Ando)