「日本はもっと野手の育成を工夫するべき」ドミニカ野球から日本球界への助言とは

ドミニカ共和国スポーツ庁から日本の少年野球育成システムへの警笛と助言

 首都サントドミンゴにあるスポーツ庁の視察ならびに職員との意見交換の場が設けられた。ドミニカではエリートスポーツの育成に加え、国民全体の健康促進を目指すことが国を上げてスポーツに力を入れる事の目的としている。エリートスポーツの育成において、最も重要なのが小学生段階での指導だと、すべての職員が口を揃えた。MLBまでの育成を考えた場合、小学生の時期に野球が好きだと思わせることが今後の将来を左右する大きなポイントだと声を大にした。

 さらに、現在日本の少年野球が抱える問題について話をすると、「複雑な競技構造をもつ野球だからこそ指導方法を単純にさせ、子どもがより楽しめるような環境を提供させることが必要ではないか」と指摘をうけた。投球制限や投球障害についても、「日本はもっと野手の育成を工夫するべき。若い時期から投手育成に尽力すると選手への負担が大きくなることを指導者が理解しないといけない」と育成方法について言及した。

 それぞれの国の指導方法に一長一短はあるが、日本の少年野球における指導方法に置き換えた場合、再考する余地は多分にある。競技人口が減少している日本の野球界。野球を選んでくれた子ども達が長く野球を続けられるような環境や方策を整えることが急務である。

(波戸謙太/Kenta Hato、山本祥平/Shohei Yamamoto)

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