田中将大、勝利呼ぶ7回途中2失点 スプリット“復調”へ「諦めず、前を向いて」

マリナーズ戦に先発したヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】
マリナーズ戦に先発したヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

本調子ではない中で「フラストレーションが溜まる投球」も…サヨナラ勝利につなげる力投

■ヤンキース 5-4 マリナーズ(日本時間8日・ニューヨーク)

 ヤンキースの田中将大投手は7日(日本時間8日)、本拠地マリナーズ戦で今季8度目の先発。本調子ではない中、6回1/3を5安打2失点4奪三振2四球と粘り、チームのサヨナラ勝利を呼び込んだ。“宝刀”スプリットの出来が悪く、苦しんでいるが、試合後には「諦めずに前を向いてやり続ける」と改めて誓った。

 過去8試合先発で7勝0敗、防御率2.02と相性のいいマリナーズを相手に2回にヒーリーに先制犠飛を許した田中。味方の守備でのミスもあった中、その後は無失点に抑えていたが、6回に対戦打率.440、2本塁打と苦手としている“天敵“エンカーナシオンにスプリットを左翼スタンドに運ばれ、勝ち越しソロを被弾。7回途中には雨が強くなり、試合が1時間12分中断したため、リードを許したまま降板となった。

 しかし、田中の粘りの投球に打線が応え、2点差で迎えた9回にウルシェラが起死回生の同点2ラン。田中の黒星も消えると、最後はルメイヒューがサヨナラ打。劇的な逆転勝利で3連勝を飾った。

 田中は95球を投げてストライクは61球。防御率は3.77に。試合後には「決して、スプリットがそうですけど、ベストな状態ではなかったですけど、その中で粘り強くゲームは作れたとは思うので。結果的にこういうふうに勝ったからそういうふうに言えますけど、決してものすごい良かったというわけではなかったので、フラストレーションが溜まる投球ではありました」と振り返った。

 状態の良かったスライダーをあえて使いすぎず、工夫を凝らした投球でゲームを作り、結果的にチームは勝利。ただ、やはりスプリットの状態を戻すことは今後に向けて不可欠なだけに「スプリットがアメリカ、日本のメディアの方々みんなから言われますけど。そこを取り戻す作業というものはなかなか戻らないですけど、諦めずに前を向いてやり続けることが大事だと思うので、それは継続してやっていて、全体的に少しでもいい状態で次の登板を迎えられればと思います」と力を込めた。

 怪我人続出の中、21勝14敗と勝ち星を積み重ねているヤンキース。本調子ではない中で先発ローテーションを牽引する田中の存在はやはり大きい。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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