「ボールは変わった?」 本塁打“乱発”のメジャーで投手たちが米紙に続々証言
公式球が変わったなら言ってほしい? 「MLB側が認めてくれたら、受け入れやすくなる」
そして、同じような考えを他の投手たちも持っているようだ。メジャーを代表する投手たちが続々と“証言”している。なかには、打者の反応から疑いをもっている投手もいるようだ。
ヤンキースの救援左腕ザック・ブリットンは記事の中で「MLB側が認めてくれたら、受け入れやすくなるだろう。ファンを増やしたいのは分かる。娯楽産業だからね。投手として、適応しなければならない。ただ、『より点が入るように球を変更することに決めた』と言ってさえくれれば、誰にとってもより対応しやすくなるんだよ」と発言。ボールは変わっていてもいい。ただ、それなら言ってほしい、という考えだという。
さらに、カブスの左腕ジョン・レスターもファンが特大のホームランを見たいのだから仕方ないと胸の内を明かし、レッドソックスの左腕デビッド・プライスは「打球が430、440フィート(約131~134メートル)飛んでいるのに、打者は本塁打ではないと思って全力疾走しているんだ」と同紙に明言。ダイヤモンドバックスの救援右腕アーチー・ブラッドリーは「ほとんどの選手は本塁打を打った時に分かるが、打者が本塁打を打ったと分からない打球が多い。だから疑わしいんだ」と話している。プライスやブラッドリーは、打者もこれまでとは違う感触を持っているはずだと指摘している。
メジャーでは近年、「フライボール革命」が浸透。バッターが打球に角度をつけることが、ホームラン増加の一因になっているとも当然ながら考えられる。トレーニング方法の発達なども、パワー対パワーの勝負の中で特大のホームランを生み出す要因の1つになっているかもしれない。記事では、「もちろん、現代の本塁打量産には他の要因もある。打者は単打よりも本塁打を狙っていて、安打の16%が本塁打である。投手はフライボール革命に対抗するため、高めのボールを投げるが、失投すると本塁打になる」と分析。またブリットンは、直球よりも失投の多い変化球を投げる投手が増え、その結果としてホームランが増えているとも考えているという。
ただ、メジャートップクラスの選手たちの思いは同じ。ブリットンは同紙に対して「僕たちが求めていることは、ただ嘘をつかないでほしいということなんだ」と繰り返している。ただ真実が知りたい――。これに尽きるようだ。当然、真相はまだわからないが、今後何らかの“原因究明”が行われる可能性はあるのだろうか。
(Full-Count編集部)