背水の陣・斎藤佑樹に“トレンディエース”西崎氏が助言「ストレートを磨け」
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「自分をしっかり持っているからこそ、変えられないのかもしれません」
厳しい言葉を続けるが、その一方で斎藤が続ける努力も知っている。2月に訪問したアリゾナキャンプでは、投球フォームを動画に撮ってチェックする姿を見て「研究熱心ですよ」と評価する。
「自分で練習方法をいろいろ考えていると思います。アリゾナでは体重移動が上手くできているか、動画に撮りながら工夫していました。ただ、ブルペンでできることが、試合になるとできなくなってしまう。試合になるとどうしても力が入るので、変わってしまうんでしょうね。
斎藤君は自分をしっかり持っている。でも、持っているからこそ、変えられないのかもしれません。良くも悪くも、高校でも大学でも実績があり、成功した体験がある。だから、プロで結果が出なくても、なかなか変えられないのはあるでしょう。自分のやってきたことを軸としながら、聞く耳を持って、自分なりに解釈して、柔軟に変えていけばいい。他人のアドバイスをそのまま実践するなんて、誰もできませんから。『こういうやり方もある』という選択肢=引き出しを増やしていけばいいと思うんですよね。今年は本当に結果を出さないと『何でアイツだけ打たれても使ってもらえるの?』ってなっちゃいますから」
ドラフト1位で注目を浴びながら、その期待に応える難しさは西崎氏もよく知っている。だからこそ、敢えて送る“辛口のエール”。その裏には、誰よりも斎藤を応援したい熱い思いが込められている。
(佐藤直子 / Naoko Sato)
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