イチロー氏と“再会”の04年マリナーズ指揮官がエール「彼の幸運を祈っている」

打撃練習開始前に談笑するイチロー氏(中央)とアスレチックスのメルビン監督(右)【写真:木崎英夫】
打撃練習開始前に談笑するイチロー氏(中央)とアスレチックスのメルビン監督(右)【写真:木崎英夫】

2004年にマリナーズを率いていたメルビン監督と再会したイチロー氏

 マリナーズの会長付き特別補佐兼インストラクターに就任したイチロー氏が13日(日本時間14日)、本拠地アスレチックス戦の前に敵将のボブ・メルビン監督とフィールド上で談笑した。イチロー氏がメジャー記録のシーズン262安打をマークした2004年にマリナーズを率いていたメルビン監督は「まだプレーできるようにも見える」と話した。

 マリナーズの打撃練習開始前、メルビン監督がフィールドに出ていたイチロー氏に歩み寄り、がっちり握手を交わし抱擁。その後、しばし談笑を楽しんだ。イチロー氏は東京ドームで行われた3月21日のアスレチックス戦を最後に現役を引退。この試合終盤で交代し右翼の守備位置から自軍のダグアウトに戻る際、一塁側のダグアウトから拍手を送っていたメルビン監督に感謝の合図を送っていた。

 メルビン監督は03、04年とマリナーズを指揮。イチローの伝説の262安打を監督として見届けた。2人は現在も信頼関係で結ばれている。

イチロー氏との会話についてメルビン監督に問いかけると、「今日は野球の話はしていない。話題は他のこと。彼と私には共通する点がいくつかあってね。だから野球以外のことを話した」と明かした。また、同監督は現役引退をしたことに違和感を覚えると言いいつつも、「昨シーズン途中で我々は彼のその(特別補佐としての)姿を少し見ている。彼は今、これまで味わえなかったオフの時間も楽しんでいるようだ。この先の幸運を祈っているよ」と笑顔を見せる。

 さらに、こう継いだ。

「(引退はしたが)今でも精力的に動き続けているし、まだプレーできるようにも見える。彼にはここに居続けてもらい組織に携わってほしいと球団は考えているだろう。私もそうするべきだと思う。彼がどんなことをやっていきたいか、今後どこかの時点でわかると思う」と私見を交えた。

 イチロー氏は、新たな役割を担う始動初日となった1日には、打撃投手を務めたが、今回はケージの後ろでプリート三塁コーチと笑顔を交えながら打者の動きを観察。自軍の打撃練習が終了するとファンのサインに応じていた。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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