元日本ハムエース西崎氏が期待する、吉田輝星と柿木蓮の前向きなライバル関係

かつて日本ハムでエースを務めた西崎幸広氏【写真:編集部】
かつて日本ハムでエースを務めた西崎幸広氏【写真:編集部】

吉田は「キレのある投手」、柿木は「技巧派になるのでは」

 両者が持つ投手としての才能は、誰もが認めるところ。その2人が互いに切磋琢磨して、能力を十二分に発揮すれば、チームにとってこれ以上のことはない。

「いい効果が生まれますよ。みんなスタートは横一線と言いますが、平等であり不平等なんですよね。ドラフト1位で入ってきた方が大事にされるし、やっぱりわずかにリードしている。下位指名とは変わってきますから、そこを本人たちがどう捉えるか。2軍でどうに差を縮め、差をつけるかですよね」

 吉田と柿木は共に時速150キロを超えるストレートを持つが、西崎氏は2人がタイプの違う投手になるのではないかと見ている。

「吉田君は基本的に、ストレートがスピードガン以上の伸びを持っていると思うんです。キレのあるピッチャーですよね。柿木君はいいストレートも持っているけど、変化球も素晴らしい。そこを上手く使って打ち取る技巧派になるんじゃないかと。性格的にはストレートで押したいタイプかもしれませんが(笑)。いずれにせよ、互いに負けず嫌いな面が出て、最高のライバルになると思いますよ」

 5月19日現在、吉田は2軍で7試合(21回)で投げ、0勝2敗、防御率2.57、柿木は9試合(16.2回)に投げて2勝0敗、防御率8.64となっている。どちらが先に1軍の舞台に上がるのか。

「本人たちも球団も焦ってはいないと思います。夏場くらいを目安にできればいいんじゃないかな。今年じゃなくて来年でもいいわけですから。1年間をかけてプロのスピードに慣れ、体を作ればいい。怪我さえしなければ、球団のエースになってくると思うんですよ。ダブルエースとして並び立つことも、球団は頭に入っているでしょう。その可能性も十分にありますよ」

 鎌ケ谷で切磋琢磨を続ける2人のライバルから目が離せなさそうだ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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