なぜ、ホークスは米ドラ1投手の獲得に動いたか? 根底にある球団の目指す姿
本気で「世界一の球団」を目指すホークスの考え方
21日、遠征先の沖縄セルラースタジアム那覇で対応したソフトバンクの三笠杉彦球団統括本部本部長は「現時点でお話できることはありません」と、スチュワートとの契約については否定も肯定もしなかった。その話の中で球団としての考え方を明かしている。
「ウチには世界中でいい選手を探している優秀なスカウトがいる。モイネロもそうだし、スアレスもそう、コラスもそうですけど、日本の一般的な3A以上MLB未満の選手(を獲得する)だけじゃなく、色々な世界中にいる選手を探すというのは、前から取り組んでいること」
日本球界の一般的な補強策であるマイナーリーグや中南米リーグの選手獲得などだけに捉われず、ありとあらゆる策を講じて、よりいい選手をチームに加えていく。これまでの既成概念、球界の“常識”に捉われずに選手を発掘し、より一層強い球団を目指していく。そういった考えの下でソフトバンクはチーム編成を進めていっている。
その根底にあるのは、ソフトバンクが掲げる「世界一の球団になる」という考えだろう。以前から壮大な目標を掲げているが、球団はこれを実現不可能な夢物語だとは思っていない。本気で「世界一の球団」を目指して動いている。日本のプロ野球での優勝や日本一はもちろん目標としてあるが、ソフトバンクが近い将来目指す姿は、メジャー球団とも肩を並べ、そして追い抜けるような球団になること。米国の若手有望株の獲得も、こうした“動き”の1つではないか。
まさか誰も、米ドラ1候補が米球界ではなく日本球界を選ぶとは思わなかっただろう。それだけに、日米で大きな反響を呼んでいる。ただ、可能性として、こういうことが起こり得ることは、今回のソフトバンクが証明した。日米球界に大きな風穴を開けることになるかもしれない、今回のスチュワート獲得劇。この先にどんな展開が待ち受けているか、注目していきたい。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)