元DeNA久保康友、まさかの代打&代走起用プラン「勝つためなら何だってする」
メキシカンリーグは木曜と日曜以外は延長戦が無制限、かつては延長23回も…
メキシカンリーグのブラボス・デ・レオンでプレーする元DeNAの久保康友投手に23日(日本時間24日)、仰天の“代打&代走起用プラン”が浮上した。メキシカンリーグでは、試合後の移動を伴う木曜、日曜は延長戦は12回までだが、それ以外の日は延長戦に突入した場合、決着が付くまで無制限で試合が行われるルールになっている。そのため、チームのコーチ陣が、ほかの投手よりも足が速く、バントができる久保に延長時の代打&代走起用を打診。久保も「さすがに打つことは難しいが、チームが勝つためなら何だってする。バントも日本でやっていたので問題ない」と、二刀流起用に前向きだ。
投手コーチが、練習時に短距離を走る久保の姿に目を付けたことがきっかけだ。久保は日ごろからほかのメキシコ人投手らよりも積極的に走るメニューを練習に取り入れており、そのスピードも野手に引けを取らないことから、投手コーチが「延長などの緊急時に代走で使うことができるのではないか?」と発案。バントについても、久保は日本でプレーしていた05年から17年までの13年間で40犠打を記録しており、野手コーチから「バントはできるのか?」と聞かれると「日本でやっていたので、できます」と即答した。
メキシカンリーグでは、2016年にリーグ最長記録となる延長23回の死闘が行われたこともあり、その時は午後7時開始の試合は、約9時間後の翌日午前4時ごろに終了。最後まで残ったは観客は十数人だけ。翌日は休息を優先させるため、試合前の練習がなくなったという。その際には最後の投手が7イニングを投げ、両チームともベンチ入り全選手が出場したという。
また、レオンも昨年、延長18回まで試合を戦ったことがある。そんな緊急時には、試合を決めるために久保の代打&代走プランで早めに勝負に出ることも可能になる。日本のプロ野球では1軍登録人数は28人で、うち25人がベンチ入りできるが、その日投げない先発投手3人はベンチ外になるのが一般的。一方、メキシカンリーグでは登録人数は30人で、全員がベンチ入り可能。先発を担う久保も登板日以外でも毎日ベンチ入りしており、緊急時にはいつでも“野手”として起用することができる。
先発登板時以外の日に、ブルペン入りする代わりにリリーフとして登板するプランは、チームの中継ぎ陣補強が一段落したため、1試合リリーフ登板した後、一旦立ち消えとなったが、今度は投打での二刀流プランが浮上した久保。「自分が投げる試合は絶対に勝ちたい」と話しているが、今後、代打や代走で延長戦勝利に貢献する日が来るかもしれない。
(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)