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中日元ドラ1野本圭の今 スカウト転身、抱く情熱と覚悟「人の人生を左右する」

現役時代、帽子のつばには「志」と書いてあった。引退試合の最後の打席はファーストゴロ。一塁にヘッドスライディングした。無意識だった。ナゴヤドームに響く拍手と歓声。ユニフォームは泥だらけだった。闘志あふれる全力プレー、野球に対する真摯な姿勢。野本圭はファンにもチームメートにも愛された。

野本氏が語るスカウト業「スピードガン、ストップウォッチ、ビデオカメラ、スコアブックの4つが必需品」

「スピードガン、ストップウォッチ、ビデオカメラ、スコアブックの4つが必需品。まずは球団の基準と照らし合わせて、注目選手に点数をつけるところから始まります」

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 例えば、投手なら球速やクイックのタイム、野手なら1塁到達タイム、捕手なら2塁送球タイムなど各項目で点数が細かく設定されているが、それだけではない。

「伸びしろ、雰囲気、センスなどスカウトの意見を記入する欄もあります。数字は他球団もほぼ同じになりますから、特色が出るのはこの部分ですね」

 ここにも野本スカウトには流儀がある。

「良い時と悪い時を把握すること。確かにドラフトにかかる年の状態は重要ですが、本来の能力は高いのに、調子が落ちたまま秋を迎える選手もいるはずです。その理由を聞かれた時に明確に答えられるように準備しています」

 したがって、同じ選手を何度も見る。すると、好不調の理由、性格などが分かってくる。

 ある投手を追いかけた。

「試合で好投したので、練習を見に行きました。あえてブルペンでキャッチャー側から見ていると、力みまくって、ボールはあっちこっちに。コーチの方から『すみません、こんなピッチングで』と言われましたが、むしろ好感が持てました。欲やガッツがある証拠。プロでは必要です。それが過剰になった時の症状や修正点が理解できましたし、収穫ありでした」

 時にはアポなしで球場を訪れることもある。

「アイランドリーグの練習です。彼らはプロ。誰も見ていない時にどんな態度や姿勢で野球に取り組んでいるかを見極めるためです。結局、プロで長く第一線でやれる人は常に手を抜かない。みんなそうでした」

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