西武ドラ1松本航、2勝目逃すも成長垣間見えた1球 「緩急をつけるボールが欲しかった」

前回登板のオリックス戦を振り返りスライダーの再取得を決意

 収穫はそれだけではない。この日はストレートに加え、スライダーにも手応えがあった。前回登板のオリックス戦での自身の投球を踏まえ、「緩急をつけるボールがほしかった。カーブでストライクが取れないときもあるし、球速が遅くて、曲がりが大きいボールを投げようと思った」と、痛打された苦い経験から大学2年時以来ほとんど投じてこなかったスライダーの再習得を決意。

 西口1軍投手コーチに握り方を教わり、清川巡回投手コーチのアドバイスを受けながら中6日の調整期間に磨き上げた。この日は5回に大田に対しフルカウントから123キロのスライダーを外角に投げ込んで空振りを奪うなど、手応えを得た。

「左のインコースを直球で攻めることができたし、右のインコースにはツーシームを投げ込むことができた」と自身の投球を振り返ったが、一方で「追い込むまではよかった。追い込んでから勝負するボールを練習しないといけない」と反省したドラ1右腕。

 この日は5回2/3で降板したが全部で121球を投じており、辻監督も「球数が多すぎる」と苦笑いを見せた。指揮官の苦言は、若獅子への期待の表れだ。新たな武器を磨き、獅子のエースへ駆けあがる。

(安藤かなみ / Kanami Ando)

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