菊池雄星はなぜ、カーブを狙い打たれたのか? アスレチックスの策略とこれからの課題

菊池は26日の登板を自己分析「ストレートがあってのカーブだと思います」

 菊池は相手の出方を理解した上で、してやられた。

「徹底してチームの作戦を決めて向かって来るというのは聞いていましたし、今日はそれを上手く徹底された。それを上回ることができなかったというところは感じます」

 その言葉で重なった人物がいた――。レンジャーズ時代のダルビッシュ有である。

 大リーグ3年目を迎えた2014年の4月の終わりだった。本拠地テキサスでアスレチックス戦に登板した右腕は6安打4失点で4回途中で降板した。黒星を喫して同チームに前年から5連敗となり、対戦成績は1勝7敗となっていた。あの日の試合でジェイソ(2017年で引退)は、いずれも直球を打って2安打。主砲のドナルドソン(現ブレーブス)は、初球のスライダーを捉えていた。 

 登板から一夜明けた26日(日本時間27日)、菊池は前夜についてこう自己分析した。

「ストレートがあってのカーブだと思います。特に初回、2回3回あたりまでの90マイル(約145キロ)いくかいかないかのストレートは、映像を見ても躍動感や腕の振りも弱かった。そういう中でカーブをいくら投げても対応されるなというのは映像を見てやっぱり感じたんで。もっとストレート、全部の球種を思いきって腕を振れる状態に戻すことが一番かなと思いますけどね」 

 同じア・リーグ西地区のアスレチックスとは今季まだ4カード、11試合が残っている。同地区で覇権を争うライバル。戦う毎に研究を重ね戦術に厚みを増す相手に今後菊池がどう対応していくのか。それもまた、これからの楽しみである。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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