広島が球団記録更新の月間19勝 最終日に勝利で月間20勝の“大台”到達なるか
ヤクルトに大勝で5月19勝目、月間20勝ならば史上8例目に
広島は5月30日、ヤクルトを13-0で下して5月19勝目を挙げた。ヤクルトの連敗が14に伸びたのと対照的に、広島は球団月間勝利記録を更新した。
1950年にペナントレースに参入した広島は、親会社を持たない「市民球団」だった時期が長く、経済的に苦しい状況が続いたため、ペナントレースでも劣勢だった。球団創設から初優勝前年の1974年までの25シーズンでAクラス入りは1968年の3位が1度あるだけ、勝率5割以上も4シーズンだけだった。1975年に初優勝。72勝を挙げたが、この年の月間勝利数は8月、9月の13勝が最多だった。
以後、セの強豪チームとなった広島は、リーグ優勝も通算で8回記録している。
月間で17勝以上を挙げたシーズン。シーズン最終順位もつける。
1994年8月 18勝8敗0分勝率.692/シーズン3位
2016年8月 17勝8敗0分勝率.680/シーズン1位
2018年8月 17勝9敗1分勝率.653/シーズン1位
2019年5月 19勝4敗1分勝率.826
今季、25年ぶりに球団の月間最多勝記録を更新した。5月31日は阪神との試合が組まれている。これに勝てば、月間20勝になる。
月間20勝以上を挙げた球団
中日 1954年8月 21勝4敗0分勝率.840/シーズン1位
巨人 1953年9月 21勝5敗0分勝率.807/シーズン1位
西武 2002年8月 21勝5敗0分勝率.807/シーズン1位
大毎 1960年6月 20勝3敗0分勝率.870/シーズン1位
巨人 1967年8月 20勝5敗0分勝率.800/シーズン1位
横浜 1997年8月 20勝6敗0分勝率.769/シーズン2位
阪急 1973年8月 20勝7敗0分勝率.740/シーズン2位
杉下茂が32勝を挙げた1954年の中日、大友工が27勝を挙げた1953年の巨人、アレックス・カブレラが55本塁打を打った2002年の西武が21勝を挙げている。
日本のプロ野球は長く130試合時代が続いた。今のプロ野球は143試合制。その時期に比べれば試合数が多い分、月間勝利数が増えてもおかしくないが、戦力均衡が進んでいるため、21世紀以降、月間勝利数が20を超えたチームは、2002年の西武しかない。広島が5月31日に勝てば、17年ぶりの月間20勝となる。
今季の広島は主軸の丸佳浩が巨人に移籍したこともあって、5月30日時点のチーム打率.258(3位)、本塁打数53(4位)と打線はやや目減りした。しかし防御率3.08(1位)、完投数5(1位タイ)、チームとしての完封数8(1位)と、先発投手陣が踏ん張っている。
大瀬良、床田が5勝、ジョンソンが4勝とローテーションが充実しているのが強みだろう。この勢いはどこまで続くか。
(広尾晃 / Koh Hiroo)