広島ドラ1小園、担当スカウトが語る現在地 「ここからが本当の勝負」
担当の鞘師スカウトは「これが普通、春先が出来すぎた部分もある」
5月31日のウエスタン・オリックス戦では担当の鞘師智也スカウトが球場に姿を見せた。報徳学園の後輩でもあるドラフト1位ルーキーの現状をこう語る。
「これが普通ですよ。春先が出来過ぎた部分もある。確かに小園が持っているポテンシャルは凄いものがありますよ、守備だけなら今でも1軍でも通用すると思う。でも、高卒新人が1年間プロ野球の世界でやっていける甘くもないし、一番は体力を持っていない。夏場を迎えてここからが本当の勝負に入ってくる」
これまで様々なルーキーを見てきた鞘師スカウトも小園が持つ潜在能力には目を細める。だが、1軍で通用するためには体力、そして打撃、走塁と課題は多い感じている。
「そりゃ、打撃も守備も走塁だって、できなくて当たり前。そこを1年間でどれだけ“卒業”できるか。1日ずっと野球することだって初めてだし、2軍でも完走できたら立派なもんですよ。だからこそ、この夏を迎えてどれだけパフォーマンスを維持できるか。その部分は注目していきたいです」
入団直後から大きな注目を集め、周囲の期待は高まったが「そもそも即戦力として取ってないわけですから」と鞘師スカウトは冷静に語る。将来的に目指すところは菊池、田中以上の中心選手としてカープを代表する選手に成長することだ。
先輩の活躍にも刺激を受けた。1軍では5月30日のヤクルト戦で高卒2年目の山口翔がプロ初先発で7回2死まで無安打に抑える快投を見せ初勝利を挙げた。同じ高卒出身の小園もその快投に目を奪われた。
「山口さんのように活躍すれば信頼してもらえる。上(1軍)に呼んでいただけるように、まずは2軍でしっかり結果を残さないといけない。誰もが認める結果を残したい。もちろん、1軍を諦めたわけじゃないし、そこを目指してやっていくだけです」
1軍に必要な部分も見えてきた。課題、自信、手応え……。背番号「51」の黄金ルーキーは再び1軍の舞台に返り咲くため己を信じバットを振り続ける。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)