「勝ったら全て報われる」―ロッテ鈴木、連敗「4」で止める劇的サヨナラ打
今季は8年目で初めて外野でも出場「『どこでも来い』という思いで準備を」
■ロッテ 8-7 西武(1日・ZOZOマリン)
ロッテの鈴木大地内野手が1日の西武戦(ZOZOマリン)で延長10回にサヨナラタイムリーを放ち、4時間を超える熱戦に終止符を打った。
「サイコーです!」
マリーンズファンで黒く埋め尽くされたスタンドに、鈴木の歓喜の声が響き渡った。初回に3点先制を許し、4連敗中のチームにいきなり暗雲が立ち込めた。それでもその裏、西武先発の榎田から鈴木が2ランを放ち、すぐに1点差に詰め寄った。試合の展開はもつれ、9回終了時で7-7の同点。迎えた延長10回、1死から三木が左前打で出塁すると、江村がバントで得点圏に送り、好調の荻野は一塁が空いていたこともあり申告敬遠で勝負を避けられた。
鈴木は「よくトリさん(鳥越コーチ)から『絶対に自分が決めるという強い気持ちを持て』と言われていた」と燃えた。1ボール1ストライクから平井のフォークをバットの先で左中間に運び、二塁走者が生還。チームリーダーの一振りで試合を決めた。
勝ちきれない試合が続いた。5月28日の敵地・日本ハム戦では幸先よく先制したものの、守備の乱れから白星を取りこぼした。復調しかけていた角中が肉離れで離脱し、同30日には完封負け。前日の同31日からホームに戻り西武戦に臨んだが、打線が繋がりを欠き、連敗は4に伸びていた。
鈴木自身も同29日にはプロ8年目にして初めて外野手として出場。献身的にチームを支え続けた。ここまで一塁手として21試合に出場し、二塁手としては4試合、三塁手としても1試合に出場。指名打者としては17試合を戦ってきた。その日の出場ポジションは、スターティングオーダーを知らせるボードを見て初めて知るという鈴木。「『どこでも来い』という思いで準備をしている。打撃も守備も、自分の持てる100%でやるという目標を立てている」と胸を張った。
「今週は苦しいゲームも多かった。今日は最後に亮(三木)も出てくれたし、益田も久しぶりに抑えた。いいパフォーマンスができていない選手もいたけど、勝ったら全て報われる」
連敗を4で止めたが、チームは5位に沈んでいる。ケガ人も多数抱え、チーム状況も万全とは言えないかもしれない。それでもマリーンズには鈴木大地がいる。鈴木のプレーと言葉が、これからもチームを救い続ける。
(安藤かなみ / Kanami Ando)