打撃練習中に女性の頭部にボール当たる 今度は防球ネットが下がる前の事故

アストロズの打撃練習中に女性にボールが当たる事故が起こった【写真:木崎英夫】
アストロズの打撃練習中に女性にボールが当たる事故が起こった【写真:木崎英夫】

救急隊が駆けつける事態に、先月末には試合中に少女に痛烈な打球が直撃する事故

■マリナーズ – アストロズ(日本時間4日・シアトル)

 マリナーズの本拠地、シアトルのT-モバイル・パークで3日(日本時間4日)、打球が客席にいた女性の頭部に当たり、救急隊が駆けつける事態となり一時周囲は騒然となった。

 この日からア・リーグ西地区首位のアストロズを迎えた同球場で、マリナーズと入れ替わったアストロズの打撃練習中に事故が起きた。打者が放った打球が打撃投手の前に置かれた防護ネットの鉄製の外枠部分に当たり、三塁側ダグアウトの屋根近くへ勢いよく跳ね返り、客席最前列に座っていた女性の前頭部に当たった。近くにいた球場係員らが救急隊を呼び、駆け付けた隊員が応急処置。大事には至らなかったが、女性は大きく腫れあがった額にアイシングパッドを当て家族と共に球場を後にした。

 5月29日(日本時間30日)にはヒューストンでのアストロズ-カブスの一戦で、カブスのアルバート・アルモラJr.外野手が三塁側に放った痛烈なファウルボールが観戦していた少女に直撃。アルモラJr.はその場で涙を流し、試合が一時中断するというアクシデントもあった。

 大リーグでは数年前から危険防止策の一環としてバックネットのみだった防球ネットを、一塁と三塁ベンチの端まで拡張する策が講じられ、昨年から各球場で設置されている。しかし、不運にも今回の事故は防球ネットが完全にダグアウトの屋根まで下げられていない時間に起きてしまった。

 近年多発している事故への安全対策として大リーグのマンフレッド・コミッショナーの提唱のもと始まった拡張ネットの設置ではあるが、まさにその網をかいくぐる予期せぬ出来事となった。奇しくも、同コミッショナーは明日4日(日本時間5日)、T-モバイル・パークを訪ずれ会見を行う予定で、事故防止への新たな題目として今回の事故が取り上げられることになりそうだ。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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