在籍1年でDeNAファンの脳裏に刻まれるモーガン氏 破天荒な野球人生を振り返る
メジャーでは大量得点差の中で盗塁を行うなどトラブルメーカーの一面も
2010年もリードオフマンとして出場するも、守備判断のミスでランニングホームランを許したり、観客、監督、チームメイトとトラブルを起こしたり、アンリトゥンルールに反して、大量得点差の試合で二盗、三盗して顰蹙を買うなど、トラブルメーカーという印象を与えた。
2011年、ブルワーズに移籍、2013年に、DeNAにやってきた。MLBでも実績のある選手だけに、大いに期待されたが、オープン戦は46打数7安打、打率.152と不振。開幕後も38打数5安打とさっぱりだったために4月20日に二軍落ちしたが、5月に再昇格してからは見違える活躍をし、3番打者に定着。
「ゴ・ゴ・ゴー! モーガン」というテーマソングに乗ってリズミカルに踊りながら打席に立ち、ファンの人気を一気につかんだ。またホームランを打つと、Tサインをしたが、これは「トニー・プラッシュ」というモーガンの別人格の人物のイニシャルだという。バットを日本刀のように立てて構えるために、時代劇のテーマソングが流れることもあった。
2013年の横浜スタジアムの平均観客は、現在よりも1万人以上少ない1万9000人ほど。チケットなしで夕方からでかけていっても観戦することができたが、モーガンは球場の外でファンに長々とサインをするなど、ファンサービスも怠らなかった。
この年の最終成績は、108試合371打数109安打11本塁打50打点3盗塁 打率.294。
契約面で折り合いがつかず1年で退団したが、ナイジャー・モーガンはファンの記憶に深く刻まれた選手だった。
2013年は、現DeNA監督のアレックス・ラミレスが2000本安打を打って引退した年でもある。ナイジャー・モーガン氏は、かつてのチームメイトである監督の前で、どんなパフォーマンスを見せるだろうか?
(広尾晃 / Koh Hiroo)