大谷翔平、サイクル達成で“打者専念論”再燃 通算521発の強打者「毎試合出場すべき」
米殿堂入りのフランク・トーマス氏が提唱「彼はエリートな打者なのです」
13日(日本時間14日)に行われた敵地でのレイズ戦で日本人初のサイクル安打を達成したエンゼルスの大谷翔平投手。初回の弾丸ライナーで左中間スタンドに突き刺す先制8号3ランに始まり、二塁打、三塁打と立て続けに快音を響かせ、7回の第4打席で中前安打を放って快挙を達成した。エンゼルス史上では7人目となる偉業に、MLB公式サイトがトップニュースとして報じるなど、日米でお祭り騒ぎとなった。
投手として2勝以上をマークし、かつサイクル安打を達成したのは、1900年以降でジョージ・シスラーと2人だけ。新人王とサイクル安打を達成したのは史上16人目で、DHでのサイクル達成は6人目と、まさに記録尽くめのサイクル安打達成となった。
昨オフに右肘のトミー・ジョン手術を受けた大谷。今季は打者に専念し、投手としてのリハビリを試合出場と並行して行い、7月にもマウンドからの投球練習を再開する可能性も出てきている。来季の二刀流復帰を目指す大谷だが、歴史に名を残す“猛打”を見せたことで、ホワイトソックスなどでメジャー521本塁打を誇ったフランク・トーマス氏が大谷の「打者専念論」を再び提唱した。
米スポーツ専門局「FOXスポーツ」の番組「Whip Around」に出演したトーマス氏。大谷がサイクル安打を達成したことに触れ、MCのケビン・バークハート氏から「昨年のことですが、あなたは彼にもう一度投手をやることは控えてほしいと語っていましたね」と振られると、トーマス氏は「今回もう一度同じことを言わせてもらいますよ。彼は外野手として毎試合出場するべきなんです。彼はエリートな打者なのです。グッドな打者でも、グレートな打者でもありません。(その上をいく)エリートな打者なのです」と、大谷は打者に専念すべきだという持論を展開した。
米国野球殿堂入りも果たしているトーマス氏は「彼がラインナップにいるとき、彼らはやる気がみなぎっています。この男が好調な時は、チームはたくさん勝っているのです。この男が絶好調の時は、他のメンバーも彼に続いていくのです」とし、大谷が打線の中にいる重要性を強調した。
一方で、パドレスなどで外野手としてメジャー通算1218試合に出場したマーク・スウィーニー氏は「私としては、それでも彼の投球を見たいと思っています。100マイルの直球、そしてあのスプリット。投手としての素晴らしさを、私たちはかなり目にしてきました」と、投手・大谷の能力の高さを認め、さらに「エンゼルスには投手が必要ですよ」と、エンゼルスにとっては投手・大谷の力も必要だと指摘した。
これに対して、トーマス氏は「エンゼルスが必要としていることについては、申し訳なく思います。彼は素晴らしい選手なのです。特別な才能というわけです。それを考えてみてください。彼は今年スプリングトレーニングにさえ参加していませんでした。そして、今、彼はこのように打棒を炸裂させているのです」と、スプリングトレーニングを経ずして結果を残す打者・大谷の能力の高さを高く評価した。
さらには「私たちはまだ彼の(才能の)限界を目にしていません。彼はまだ若い選手です。45本塁打、120~130打点を残せる選手だと見ています。彼はそれくらい特別な打者なのです」とも。打者としてシーズンを通してプレーすれば、MLBの中でも屈指の打撃成績を残せる力があると語っていた。
(Full-Count編集部)