菊池雄星、手応え掴んだチェンジアップ バーランダーと投げ合い5勝目を目指す

チェンジアップを入念に確認、全投球練習の1/3以上を費やす

 実は、前日の投球練習で菊池はこれまでにない意識を覗かせていた。

 今季2番目に多いチャンジアップ8球を組み入れたあの日の登板前日、ノバック通訳を座らせた平地で7分程度の力で26球を投げたが、奇しくも、翌日の登板と同じ8球のチェンジアップを投じている。全投球の3分の1以上をチェンジアップに費やした練習を行ったのはそれが初めでだった。

 バランスを確認するようにゆったりとしたフォームで投げる中、他の球種とは違い、手首を外側へと捻るリリースにしっかりと力を入れて投げ込む姿は印象的だった。思えば、翌日の試合で組み込む“覚悟”を決めた8球であったか。

 自身の連敗を4で止めた夜、菊池は言った。

「まだまだ良くなるはずという、自分自身への期待を持ちながら、次の試合に向かいたいと思います」

 明日29日(同30日)、スプリンガー、アルトゥーベ、ブレグマン、グリエルら右の好打者を揃える地区首位のアストロズ戦に登板予定の菊池と投げ合うのは、11年のサイ・ヤング賞右腕で今季10勝に到達しているバーランダー。

 今季初対戦の難敵相手に菊池は臆することなくチェンジアップを投げ込めるかどうか。今後への試金石になるであろう登板に注目したい。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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