メダルは通行手形… 大浦征也×太田雄貴「スポーツビジネス」トークセッション

トークセッションにはフェンシングの太田雄貴氏が登場【写真:(C)PLM】
トークセッションにはフェンシングの太田雄貴氏が登場【写真:(C)PLM】

スポーツとビジネスの共通点とは…

 かつてはオリンピックで銀メダルを2個獲得されるなど、選手として活躍されていた太田雄貴氏。引退後は、森永製菓で勤務したのち、全日本フェンシング協会会長の職を引き受けたという。「企業が合わなかったんですよね。自由奔放な性格なので。そこで会長としての職を引き受けて改革をし始めた。でも、フェンシング界のためだけにやるのはこの何年間かだけと決めています」と意外な事実を口にした。

「何年間かだけ」と決意した中で、現在おもしろいと注目しているのは「いわゆるマイナースポーツの団体が補助金や税金などに頼りすぎないで運営できたら」ということだという。「いままでなかったことをやろうと。一種のケーススタディになるなと思って」と明かした。

 ここで大浦氏から、「幼少期からずっとフェンシングをやっていて、どうやってそのようなビジネススキルを身に付けたのか」と、会場が不思議に思っていた鋭い質問が飛んだ。

 これに対し太田氏は、「方法は同じだと思う」と切り出すと「フェンシングは戦略系の競技。複合的にどう15点を積み重ねる。そういう感覚はフェンシングもビジネスも同じだと思います」と満面の笑みで返した。

 会場が感嘆に包まれたのは太田氏の「掛け算」という言葉を含んだ話題だった。「メダルを取ったときに通行手形だと言い切ったんです。メダルはあくまで手段だと思ってて、メダルを持って次の町に行くみたいな。フェンシングをやってました、集客できます、メダルを取りましたって掛け算をしていく。そうすると唯一無二になれるんです」と今の自身の価値観を明かすと、これには大浦氏も「今はキャリアの時代からスキルの時代になって、スキルの掛け合わせが必要な時代になった。人生100年時代と言われる今、大事なことが自然発生的にできているんですね」と納得の表情で頷いた。

スポーツ業界が求める人物像とは

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