MLBインド進出 国際部副社長の狙い「野球の成長の余地はある」「公式戦開催を」

インドで公式戦開催の可能性も!?

 現在、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が発表している世界ランキングでインドは65位(日本は1位)であり、国内にも野球連盟は存在するものの、国際大会では成績を残せておらず、発展へのきっかけを失っていた。しかし、スモール氏は「インドは野球の分野で目立った成績を残していません。それでも、現地にはおよそ5万人ほどの野球選手がいると言われており、その事実が野球を成長させる機会だと思っています。野球やソフトボール、クリケットも『投げて打つ』という動きは変わりません。この共通点があるからこそ、野球の技術を向上させるための助けになります」とこの状況を前向きにとらえている。

 こうしてインドに新オフィスを構えることになったMLB。最初はインドで野球の試合を開催できるように環境を整えていく。スモール氏によると、テレビ放送を通じてインド人に試合に親しみをもたせ、インド各地の学校で「ミリオンダラー・アーム」のような野球プログラムを導入する予定だという。また、数年後には中国にある「MLBディロップメントセンター(MLBDC)」のような選手育成施設の建設も計画している。

「私達はこれからも野球が発展していない場所での公式戦開催を目指しています。先日のロンドンシリーズや今回のインドオフィス設立発表は目標に向けた第一歩です」

 MLBは既に東京、メキシコシティー、北京、ロンドンに国際オフィスを構えており、これまですべての場所で公式戦を開催した。そして、今回のインドオフィス設立によって将来的にニューデリーでの公式戦開催の可能性が大きくなった。将来的には中国を抜いて世界一の人口になると言われるインドで、MLBの世界戦略はさらに加速する。果たして、インド人初のメジャーリーガーの誕生は実現するだろうか。

(豊川遼 / Ryo Toyokawa)

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