家族の思いに涙…指導者になっても変わらない思い 元ホークス・新垣渚氏の今
右肩痛から復活したお立ち台で家族に感謝して涙 今では保護者の家族に感情移入してしまう新垣氏
ホークス時代の2012年4月1日。右肩痛から2008年シーズン以来の白星を挙げて上がったお立ち台に立った時も、新垣氏の両目は真っ赤だった。勝っても、負けても笑顔でいようと思っていたが、インタビューでグラブの刺繍「感謝」の文字に込めた思いを問われると、あふれる涙を抑えることができなかった。愛する家族の顔が浮かんだ。
家族はいつだって、新垣氏の原動力だった。それが今は、指導する子供たちを見つめながら、自分以外の家族にまで感情移入をしてしまう……。現役時代にはなかった感覚だった。だから、愛情を持って、精いっぱい指導をして、その先にある大切なことを説いている。
「最後に子供たちには、『勝つことが一番だけれど、負けも大切。そのあとからが新たなスタートになる。そういう思いから人は成長する。負けが自分たちにいい経験であるように、ここが第一歩だと思って、プロを目指してがんばってほしい』と、伝えています」
教えるのは野球技術だけではない。新垣氏は野球人としての道しるべとなるべく、野球に愛情を注いでいく。
◇NPO法人ホークスジュニアアカデミー 地元九州を中心に日本の野球・発展に対する支援活動を通じ、社会貢献をすることが企業理念。幼児~小学3年生のための「ホークスベースボールスクール」、小学3年生から6年生までの「ホークスジュニアベースボールスクール」小学6年生から中学3年生で硬式野球に慣れるための「ホークスジュニアアカデミーステップアップスクール」や「野球塾」がある。球団OBらが指導を行い、九州と山口で37校開校中。体験会も行っている。