米独立で“ロボット審判”導入されるも…昨季MVP男「審判のミスも野球の一部」

ロボット審判の導入にMLB選手は“賛否”【写真:Getty Images】
ロボット審判の導入にMLB選手は“賛否”【写真:Getty Images】

MLBと米独立アトランティックリーグは業務提携契約を結んでおり、将来的な導入の可能性も?

 大リーグ機構(MLB)が今年2月に業務提携契約を結んだ米独立アトランティックリーグで「ロボット審判」が導入された。審判がiPhoneに接続されたイヤホンをつけ「トラックマン・コンピューターシステム」からの判定を伝え聞きコールを行う新たな試みに米メディア「ブリーチャー・リポート」も注目。「野球の歴史においても最も大きな変化の1つになるだろう」とし、MLBの一流選手たちのコメントを紹介している。

 ついに導入された“ロボット審判”。パドレスのホズマーが「上手くいくシステムがあるなら、多くの選手たちが賛成するだろう」、ヤンキースのサバシアが「ボールとストライクの判定が毎回正確なら、もっと良い試合になると思う」と話したように賛成する意見もあったが、反対意見が大勢を占めたようだ。ヤンキースのハップのように「賛成派じゃないね。分からないけど、試験導入がどうなるか見てみたい。ゾーンが変わり、投手と打者の両方が調整しなければならないと思う。MLBが導入を試みていることの中で、一番良くないことだと思う。良い方向に行かないと思う」と拒否反応を示す選手もいたが、主に反対派が主張するのは人間性が野球から失われることだ。

 ジャイアンツ・クロフォード「野球だとは思えない。人間の要素がなくなるよ。100%正確じゃない限り、メジャーリーグで導入するのは難しいだろう」

 ブルワーズ・イエリッチ「人間の要素も試合の一部だと思う。機械に頼ると、予想していなかったことが発生する。良くしようと始めたことでも、複雑になり、問題となるんだ。そうした方向には向かってほしくない。審判は本当に良い仕事をしていると思う。もちろんミスはする。良い判定ができる日もあれば、そうじゃない日もある。だけど、それはフィールドの僕たちのようなものだよね。良いプレーができる日もあれば、そうじゃない日もある。それが野球なんだよ」

 エンゼルス・ルクロイ「100年以上にわたり審判がいる。伝統を維持し、劇的に変え過ぎないのは重要だと思う。20年後に振り返り、全く違う野球だなんて思いたくない。僕たちはビデオゲームの選手じゃないんだ。人間の要素は継続するべきだと思う。(ロボット審判では)オフェンスが低下すると思う。投手が有利になるだろう」

 ロボット審判を導入することでの新たな問題点を指摘した選手も多くいたようだ。

 ナショナルズ・シャーザー「僕が思う1番の問題は、ロボット審判だと、捕手のフレーミングが関係なくなることだ。走者が一塁にいたら、(捕手が)もっと効率的に二塁に投げられるように構えてもいいのだろうか? フレーミングを気にしなくていいのであれば、捕球して投げるだけでいい」

 インディアンス・クルーバー「人間の審判ならストライクじゃない球がロボット審判ならストライクになると思う。ドロップカーブでプレート上でバウンドし、ゾーンのコーナーに入る球がストライク判定になるかもしれない。そんな球は打てないよ。試合を理解している審判がいるわけで、数式によるコンピュータやロボットに代わりができるとは思わない」

 MLBと米独立アトランティックリーグは業務提携契約を結んでおり、将来的にメジャーで導入される可能性も指摘されている。新ルール導入の鍵を握るとされるMLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏に現場の声は届くのだろうか。

(Full-Count編集部)

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