西武に12球団最大級“新道場” 球団フロントの思い「打撃の強さにつながるのでは」

新選手寮はコミュニケーションと食事にこだわり「食堂で野球の話がしたい」

 新しい選手寮には、監督、コーチや選手同士がコミュニケーションを取れる場所を作った。食堂は居心地のいい空間になるよう心掛け、選手たちが「部屋に戻るよりも食堂で野球の話がしたい」と思える空間づくりに力を入れた。

「これまでの寮には、腰を落ち着けて話をする場所がありませんでしたので、そういう場所を作りました。食堂も、今までは食事が終わるとみんな部屋に戻ってしまっていたのですが、新しい食堂は景色が良く居心地がいい。『ここにいたいな』と思える場所になってくれればと思います」

 今季からチームには管理栄養士が帯同し、きめ細やかなサポートを行っている。選手たちにとって、体調を維持するために食べることは非常に大事だ。そのため「いっぱい食べたい」という気分になれるよう、使用する食器にもこだわった。
 
「選手たちは、食べることが基本です。食堂に入るたびに『ここでご飯を食べたいな』と思える、食事が楽しくなるような雰囲気づくりはできています。今シーズンから1軍と2軍に1名ずつ管理栄養士がついていますが、選手の小さなところも見逃さずに、食べるタイミング、水分の取り方、食べるものなど話をしてくれています。そういう効果も出てくると思います」

 西武は本拠地のメットライフドームと、2軍が使用する西武第二球場が隣接している。そのため、1軍で活躍する主力選手が、試合が終わってから室内練習場のマシンを打ちにいくこともある。

「自分たちよりも何倍も実力のある選手が、遅い時間までバッティング練習して、休みの日も出てきて打っている。そういう姿を若い寮生が見たらどう思うか。そこに居合わせると一緒に練習ができ、ものすごい財産になります。練習熱心で、惜しみなく教えてくれる選手が多いので、そういうところがチームのバッティングの強さにつながるのではないかと思っています」

 2軍で汗を流す選手にとっては、メットライフドームは近くて遠い場所かもしれない。1軍のグラウンドに近い練習環境が整備されたことが、少しでも選手たちの励みになり、多くの若獅子たちが1軍のグラウンドに羽ばたいてくれることを期待したい。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

RECOMMEND