日米大学野球 愛のある米指揮官へ送られた拍手 「日本をリスペクトしている」
投手起用に関しては「彼らの安全、将来が一番」と選手を思う
第43回日米大学野球選手権大会(全日本大学野球連盟、読売新聞社主催)は大学日本代表の3勝2敗で幕を閉じた。敗れはしたが、アメリカ代表のマクドネル監督は「今回、負けたことに恥ずかしいとは思っていない。野球が盛んな日本という強いチームとできたことを光栄に思っています」とナインをたたえ、日本への感謝を述べた。
采配ではマイヤー、レイシー、デトマース、L・アレン、ニカイジーと5試合すべて違う投手を先発で起用した。日本は明大の森下暢が1、3、5戦の3試合で先発。早大の早川が2.4戦で先発。2人ともきちんと球数は管理され、5イニング以内でマウンドを降りているが、対照的なローテーションだった。
マクドネル監督は「日本の投手は登板間隔が少なかった。おそらく、そういう文化の中で野球をしているからだと思う。アメリカの大学野球のシーズンは4か月と長く、週末に試合をするから、我々の先発投手は週に1回、中6日の間隔できている。ここ(日米大学野球)に来ている子たちは、来年のドラフトにかかる金の卵。これからメジャーで大きくなっていく選手。彼らの安全、将来が一番です」と起用理由を説明。選手ファーストで5試合を戦った。
また、10年前にもアシスタントコーチとして、日米大学野球のため、来日したという指揮官。それがきっかけで家族も日本が大好きになった。質疑応答を終えると、自ら“最後の挨拶”を切り出した。
「日本の野球は好きだし、リスペクトしています。色々と学ぶことありました。野球があったおかげで日本と試合ができましたし、ここに来られる機会を得たので、野球に感謝しています。5試合通じて、アメリカチームに温かく接していただき、チームを代表として感謝しています。日本と試合をやれたことを誇りに思います」
そう締めくくると、会見場では監督に向け、関係者、報道陣から拍手が起こった。敗れはしたが、思い出に残る大会になったようだ。
(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)