甲子園のスターが多く入団した日本ハム 吉田輝、万波ら注目ルーキーの通信簿
ドラフト4位万波は1年目で早くも8本塁打をマークし自慢のパワーを見せつける
○万波中正選手(ドラフト4位)
1軍成績:出場なし
2軍成績:54試合 8本塁打 23打点 34安打 0盗塁 打率.210
横浜高校では下級生時から抜群の身体能力を武器に中軸として活躍し、一時はベンチ外に落ちるほどのスランプも乗り越えてプロ入りを果たした。まだ粗削りな面は否めないが、7月19日まで1割台だった打率は徐々に向上。高校時代から定評のあったパワーはプロの舞台でも大いに発揮されており、高卒1年目からチームトップ、リーグ全体でも6位タイとなる8本塁打を記録している。
現時点でのハイライトといえる試合の一つが、5月10日の楽天戦。2点ビハインドの10回裏、2死1,2塁という状況で打席に入ると、福山博之投手からバックスクリーンへ劇的な逆転サヨナラ3ランを放っている。まだまだ成長過程ながら、将来は走って守れる長距離砲へという期待も持てる未完の大器。今後、誰にも予想がつかないような成長曲線を描いていく可能性も十分にあるはずだ。
○柿木蓮投手(ドラフト5位)
1軍成績:出場なし
2軍成績:15試合 2勝1敗 25.2回 17奪三振 防御率9.47
根尾昂選手(中日)、藤原恭大選手(千葉ロッテ)らと共に春夏連覇を達成し、3年夏の甲子園では後の同僚でもある吉田輝投手に投げ勝って甲子園の優勝投手にもなった柿木投手。高校野球ファンから大きな注目を集めた逸材は、現在、プロの舞台で新たな壁に直面している最中と言えそうだ。
2軍では高卒ルーキーながら多くの登板機会を与えられ、既に2つの白星も記録。しかし、防御率は9点台と厳しいプロの洗礼を浴びている。25回2/3で21四球と制球にも課題を残しており、投手としてはまだ成長過程にあるということかもしれない。高校球界屈指の強豪校で激しい競争に勝ち抜いてきた右腕は、一足先に1軍でプロ初勝利を挙げた吉田輝投手らと切磋琢磨できる環境を、今後の成長へとつなげられるだろうか。
○田宮裕涼(たみや・ゆあ)選手(ドラフト6位)
1軍成績:出場なし
2軍成績:48試合 0本塁打 11打点 29安打 5盗塁 打率.228
同期入団の高卒ルーキーたちは甲子園の舞台でスポットライトを浴びてきた選手たちばかりだが、田宮選手は唯一甲子園の出場経験がない。しかし、大舞台での実績はなくとも、プロの舞台では確かな存在感を発揮。守備の負担が大きい捕手を務めながら、ファームで打率.228と野村選手や万波選手を上回るアベレージを残しており、新たなステージでその対応力の高さを証明している。
田宮選手がその才能を示しているのは打撃面だけではなく、盗塁をすでに5つ記録している点も目を引くところ。そのスピードは高校時代から高い評価を受けており、守備面でも強肩に加えて俊敏な動きが光る。「走れる捕手」となりうる、身体能力の高さは大きな魅力だ。2歳年上で同じく俊足を備える郡拓也選手との捕手争いは、近未来の2軍における楽しみな要素の一つとなることだろう。