「走った方がいい」盗塁成功率70%超の選手は? パ6球団の盗塁事情を分析
各チームの盗塁数、成功率上位5目を紹介
次に、各チームの盗塁数上位5名と、その盗塁数・盗塁成功率をそれぞれ見ていきたい。(数字は7月22日時点)
○北海道日本ハム
西川遥輝外野手 15盗塁 5盗塁死 盗塁成功率:75%
中島卓也内野手 9盗塁 3盗塁死 盗塁成功率:75%
杉谷拳士内野手 5盗塁 1盗塁死 盗塁成功率:83.3%
大田泰示外野手 4盗塁 2盗塁死 盗塁成功率:66.6%
(4選手) 1盗塁
西川は2018年にはリーグトップの44盗塁を決めただけでなく、失敗はわずかに3つ、成功率93.6%と抜群の数字を誇っていた。しかし、今季はすでに昨季を上回る盗塁死を喫しており、昨季までの通算盗塁成功率87.3%という驚異的な安定感に比べるとやや確実性を落としている。それでも成功率75%と一般的に考えれば十分な数字を残しているだけに、ここから文字通りエンジン全開といきたいところだ。
2015年には盗塁王にも輝いた経験を持つ中島は、現在6年連続2桁盗塁を継続中。盗塁王獲得時の82.9%という成功率には及ばないものの、不測の事態さえなければ今季も2桁盗塁は間違いなさそうだ。また、ムードメーカーの杉谷も、現時点で高い成功率を記録。オーストラリアでの自主トレ中には「ワラビー走法を取得しました」と報告する一幕もあったが、今後も「野生化計画」の成果を見せ続けられるだろうか。
○楽天
辰己涼介外野手 9盗塁 3盗塁死 盗塁成功率:75%
茂木栄五郎内野手 6盗塁 2盗塁死 盗塁成功率:75%
田中和基外野手 3盗塁 6盗塁死 盗塁成功率:33.3%
ブラッシュ外野手 2盗塁 2盗塁死 盗塁成功率:50%
銀次内野手 2盗塁 1盗塁死 盗塁成功率:66.6%
オコエ瑠偉外野手 2盗塁 1盗塁死 盗塁成功率:66.6%
ルーキーの辰己がチームトップの9盗塁に加えて成功率も75%と、プロ1年目から自慢の足で存在感を発揮している。盗塁のみならず塁上での判断力にも優れており、ここ数年機動力を使えていなかったチームにとっては貴重な存在となりそうだ。また、昨季までの通算盗塁成功率が72.2%だった茂木選手が成功率を75%に乗せ、走者としてさらなる進化を見せているのも明るい材料となっている。
一方、昨季21盗塁、6盗塁死で成功率77.8%だった田中は、今季の成功率が33.3%。シーズン開幕直前に右足首を痛めた影響もあってか、打撃のみならず走塁面でも不振に陥っていた。辰己が台頭してきたとはいえ、1軍で機動力を使える選手の頭数はまだ少ない。高い身体能力を持つ昨季の新人王の、本格的な復調が待たれるところだ。
○埼玉西武
金子侑司外野手 30盗塁 6盗塁死 盗塁成功率:83.3%
源田壮亮内野手 22盗塁 8盗塁死 盗塁成功率:73.3%
外崎修汰内野手 16盗塁 3盗塁死 盗塁成功率:84.2%
木村文紀外野手 10盗塁 5盗塁死 盗塁成功率:66.6%
秋山翔吾外野手 8盗塁 4盗塁死 盗塁成功率:66.6%
上位3選手がいずれも70%を超える成功率をマークしており、今季も抜群の得点力を誇る打線を機動力が下支えしている構図が浮かび上がってくる。金子侑と外崎はともに盗塁成功率が80%を超えており、金子侑がリーグ1位、外崎が同5位タイに位置するなど、成功数自体も多い。犠打数がリーグ最下位と、打って返すことが信条のチームにとって、アウト無しで得点圏に走者を進められる両選手の存在価値は大きいはずだ。
源田はルーキーイヤーから2年連続で盗塁王争いを繰り広げ、2017年が78.7%、2018年が81%と高い成功率も残してきた。過去2年に比べると今季の成功率はやや下がっているが、それでも70%を超えているのは流石といったところか。一方、リーグ屈指の安打製造機として知られる秋山選手は、昨季までの通算成功率が63.7%にとどまるなど、盗塁はやや不得手。今季も成功率は66.6%となっており、走者としては「盗塁すべきでない選手」に分類されるかもしれない。