“持ってる男”元DeNA須田が4戦4勝 JFE東日本が劇的サヨナラで21年ぶり決勝へ

今大会4戦目で4勝のJFE東日本・須田幸太【写真:安藤かなみ】
今大会4戦目で4勝のJFE東日本・須田幸太【写真:安藤かなみ】

須田は10回に勝ち越し弾を浴びるも、その裏に味方が逆転サヨナラ勝ち

 JFE東日本が逆転サヨナラ勝ちで21年ぶりに決勝進出を決めた。9回まで両軍合わせて3本塁打が飛び出す空中戦も決着がつかず、試合は延長戦に。延長10回、元DeNAの須田幸太投手が先頭の金子に勝ち越しソロを浴びたが、そのウラに峯本が2死満塁から右前へ逆転の2点適時打を放ちサヨナラ勝利を収めた。JFE東日本は今大会3度目のサヨナラ勝ち。7回から救援した須田が今大会4戦目でなんと4勝目。東芝は投手陣が7四死球と精彩を欠き、準決勝で散った。

 ここまで3試合全てに登板し、無失点だった須田が初めて許した失点だった。同点で迎えた延長10回に金子の勝ち越しソロを浴びた。「直球を狙われていた。とらえられてしまった」。スタンドに飛び込んだ打球を見送ると、張り詰めていた緊張の糸が切れかかった。それでも「1点なら絶対に逆転できる」とこれまで幾度となく逆転劇を演じてきたチームメイトを信じ、切り替えた。続く4番・松本を空振り三振。リードを広げられることなく踏ん張った。

 その直後、須田の言葉通りに劇的な幕切れが待っていた。JFE東日本打線が繋がり、2死満塁とチャンスを作ると3番・峯本の右前への適時打を放った。2人の走者が次々に生還し、第逆転サヨナラ勝ち。今大会3度目の逆転サヨナラ勝利で。須田には4勝目が転がり込んだ。

 10年前の第80回大会では補強選手として出場し、ホンダの日本一に貢献した須田だが、JFE東日本のユニフォームを着ての日本一はいまだ経験できていない。「自分の力でチームを勝たせたい。今日はそれができなかった」と勝ち越しを許した場面を猛省。それでも「10年前の雰囲気が今もありますね」とチームの雰囲気の良さを語った。

 明日の決勝戦では試合展開次第で連投の可能性もあるが、「もう(監督から)予告されています。疲れもありますが、頑張ります」と完全燃焼の準備はできている。須田は「最多勝?狙いますよ」とニヤリ。登板の度にチームに勝利を呼び込んできた救世主が、明日ついに歓喜の宙に舞う。

(安藤かなみ / Kanami Ando)

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