「三木に後悔させないように」―代打でサヨナラ打のロッテ清田が胸に秘めた思い
代打で連夜の大仕事「『清田さんが代打だったらしょうがない』と思ってもらえるような結果を」
■ロッテ 4-3 楽天(28日・ZOZOマリン)
ロッテ・清田育宏外野手が28日、9回無死満塁から右翼へサヨナラ安打を放ち、連夜の劇的勝利の立役者となった。
3-3の同点で迎えた9回無死満塁。絶好のサヨナラチャンスに井口監督は「一番の集中力をもっている」と信頼する清田を代打に送る。スタジアムを埋める2万9295人のファンの大歓声の中、清田自身は「さほど緊張することもなく」打席に入った。
マウンドには楽天3番手・青山。カウント1ボール1ストライクから、内角低めに投じられた139キロの直球だった。「青山さんはスライダーがすごくいいピッチャーなので、スライダーも頭にあったんですが、どこかで絶対真っ直ぐが来ると思って、腹をくくって真っ直ぐをいきました」。狙い澄ました直球に反応した清田。持ち前の右方向への打球で見事サヨナラ安打を放ち、連夜のヒーローとなった。
前日27日の試合では1点を追いかける8回1死二塁で代打として登場し同点打。その後、新助っ人マーティンの決勝2ランが飛び出した。そして、この日は同点の9回無死満塁と再び好機での代打起用で結果を残した清田だが、いずれも遊撃でスタメン出場している三木に代わっての打席であった。
「昨日も三木の代打で、今日も三木の代打。本当に申し訳ない」と、お立ち台で後輩への気遣いを見せていた清田は「僕が行って三木に後悔させないようにと。『清田さんが代打だったらしょうがない』と思ってもらえるような結果を残したい」という思いも胸に秘めながら、最高の仕事を果たして見せた。
前日、ともにお立ち台に上がったマーティンの加入により、3試合スタメン出場がないが「正直、悔しい気持ちもあります。でも、こういうところで与えられるポジションがあるので必死に頑張りたい。こういう最高の場面で使ってもらえていますし、2日連続でヒーローになれるなんて最高なので、しっかりやりたいです」と明るい表情で語った清田。今後も与えられた役割の中で、前向きにチームのために貢献していく。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)