元鷹・攝津正氏が振り返る、後悔なきプロ人生 引退は「野球人生の寿命だった」
昨季限りで現役を引退したホークスの元エース、引退して「開放された」
元ソフトバンクの攝津正氏は昨季限りで現役を引退し、今年は野球解説者を務めるだけでなく、釣りのラジオ番組を受け持つなど、活躍の幅を広げている。現役時打は通算282試合登板(140先発)で79勝49敗1セーブ73ホールド、防御率2.98の好成績をマーク。しかし、2016年からは3年連続7試合登板に終わり、ユニホームを脱いだ。Full-Countのインタビューに応じた右腕は、引退については「野球人生の寿命だった」と後悔の気持ちは全くなかったことを明かし、現役生活で最も誇れるものとして「大きな怪我をしなかったこと」を挙げた。
現役生活を終え、野球を外から見るようになった攝津氏。解説者としての役割を「やっぱり視聴者の皆さんにわかりやすく話さないといけない。何事もそうですけど。ラジオもそうです。いろんな幅の人が見たり聞いたりしてくれている。そういう人たちも理解しやすいように話さなきゃいけないなと感じます」と説明する。投手として“求道者”のイメージが強いが、解説者としては同業の投手だけでなく、試合全体の流れなどに面白さを感じているという。
「本当に専門的な細かいことまで言うときは言いますし、逆に分かりづらいプレーだったらわかりすく解説したほうがいいかなとか、そういうふうには思いますね。意外と守備位置とか、打順のめぐり合わせとか、この回だったらここに回ってきそうだなとか、そういうのは面白いですよね。(守備の)ポジションがこうなってる、とか。そこはすごく自分の感覚と行われているプレーと違うこともあるし、そういう作戦とかもあるんだなと感じますね」
ソフトバンクのエースとして活躍していたときは、対外的には寡黙なキャラクターを貫いた。ただ、引退後は笑顔が目立つ。「現役って自分のことを優先して、自分のことだけを基本的に突き詰めていくじゃないですか。今は自分は何もそういうことがないので、開放されたというか、そういうのが本当に強いです」。真摯に野球に向き合い、すべてを捧げてきたからこそ、プロ野球選手としてやり残したこと、現役生活への未練や悔いはなかった。