西武平井の登板ペースは歴代最多に匹敵? 久保田、藤川、浅尾らと比較

「神様、仏様、稲尾様」と称された1958年の日本シリーズでの4連投4連勝

〇稲尾和久氏(1961年)

7月末時点:43試合 23勝6敗 223回 189奪三振 防御率1.65
年間成績:78試合 42勝14敗 404回 353奪三振 防御率1.69
タイトル:最多勝、最優秀防御率、最高勝率、ベストナイン(投手部門)

 現在、ライオンズのシーズン最多登板記録を保持しているのが、西武の永久欠番「24」をかつて背負った稲尾氏だ。先述の3人はいずれもリリーフ投手だったが、稲尾氏は投球回が示す通り、先発として長いイニングを投げていた点で異彩を放っている。プロ入りからの8年間で524試合に登板し、2765イニングを消化。「神様、仏様、稲尾様」と称された1958年の日本シリーズでの4連投4連勝は、今なお伝説として語り継がれている。

 そんな稲尾氏にとってもキャリアハイとなったのが1961年のシーズンだ。投手分業制が確立されていなかった時代とあって、先発30試合、リリーフ48試合と両方の役割に対応しながら、現在では考えられないペースでイニングを消化。前半戦を終えた段階で223回を投げて23勝6敗と、現代ならばそこでシーズンを終えてもMVP級の成績を残していたが、その後も稲尾投手はエースとして圧巻の投球を重ねていく。

 最終的には78試合に登板して投球イニングは400回を突破し、防御率も1.69と驚異的な数字を記録。このシーズンに記録した年間42勝は、1939年のヴィクトル・スタルヒン氏と並んでNPB史上最高記録であり、投手分業制が確立された現代野球においてこの記録が今後破られる可能性は極めて低い。事実上のアンタッチャブルレコードを打ち立てた、まさに球史に残る1年だった。

年間を通してフル回転を続けた投手たちのその後の成績は…

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